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作品詳細

ISBN:978-4-7576-0808-5 C1590
おんせんぶんがくじてん
和泉事典シリーズ32 温泉文学事典
定価(税込): ¥6,480
表紙 著作者よみ うらにしかずひこ 
著者名 浦西和彦 編著 著書検索
発売日 2016年11月02日
ジャンル 日本文学研究全般
判型A5/606頁

『温泉文学事典を味方にして』〈推薦 坪内稔典(俳人)〉

『日本新名勝俳句』(昭和六年)には、「谺(こだま)して山ほととぎすほしいまま」(杉田久女)、「啄木鳥(きつつき)や落葉をいそぐ牧の木々」(水原秋桜子)などが帝国風景院賞の作品として登場、これらは近代の代表的な名句として今でも人気が高い。温泉の俳句も、別府、熱海など十五か所の温泉の句が出ているのだが、残念ながらさほどよくない。温泉の名句はまだないのではないか。
言うまでもないが、温泉も俳句も暮らしに密接している。暮らしの楽しみでありぜいたくだ。その温泉と俳句を結合させ、温泉で心身をほぐしてから一句をひねる、これって、温泉の多い日本列島の最高の幸せかも。もちろん、俳句仲間がいて、そして酒肴があればさらに上々。
先年の初夏、標高一四〇〇メートルの藤七(とうしち)温泉(青森県)で私は詠んだ。「男らの藤七温泉雪残る」。この句を手始めに、『温泉文学事典』を味方にして、私もまた至福の一句をめざそう。
温泉俳人な〜んて呼ばれたいなあ。
 
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「金色夜叉」(熱海温泉)、「坊っちやん」(道後温泉)、「城の崎にて」(城崎温泉)、「伊豆の踊子」(湯ケ野温泉)など、日本の文化である「温泉」を描いた小説やエッセイを作家別に取り上げた初めての事典。

◎本書の特徴
・473名の作家による、温泉に関する880作品を収録。
・登場する温泉は約700ヶ所。
・郷土再発見・町おこし・観光案内・旅の計画・温泉イベント・温泉エッセイなど幅広い用途に使えて便利。
・温泉・作家・作品が一目で分かる索引(都道府県順)付き。

*特別コンテンツ=『温泉文学事典』地図を和泉書院ホームページ【温泉文学事典 特設サイト】に掲載。

本書は、近代文学において温泉地がどのように描かれているか、温泉について書かれたエッセイや温泉が出てくる作品を事典項目にして編集された事典である。尾崎紅葉の「金色夜叉」には熱海温泉や塩原温泉が、徳冨蘆花の「不如帰」には伊香保温泉が、夏目漱石の「坊っちやん」には道後温泉が、「明暗」には湯河原温泉が、志賀直哉の「城の崎にて」や「暗夜行路」には城崎温泉が、川端康成の「伊豆の踊子」には湯ケ野温泉が出てくるなど、近代文学には温泉地が出てくる作品が数多くある。温泉地に長期間にわたって逗留し、そこで原稿を執筆した文学者たちもいて、近代文学者たちと温泉地との結びつきは深く、現代の作家たちとは違ったものがあった。本事典には、温泉にたいする文学者たちの個性や人となりを見るだけでなく、日本社会の変容を温泉を通してかいま見ることが出来る。文学研究だけでなく、文化史研究の礎ともなるであろう。

目次
はしがき――温泉愛好者にお薦め

『温泉文学事典』収録作家名一覧

凡例

温泉文学事典

温泉別作家作品名索引(都道府県順)

特別コンテンツ 『温泉文学事典』地図(和泉書院ホームページ)

著者略歴
1941年9月、大阪市に生まれる。
関西大学文学部国文学科卒業。
1971年、関西大学文学部専任講師、同助教授、教授を経て、2012年退職。
関西大学名誉教授。
2014年、大阪市民表彰文化功労賞。

主要著書・編著に
『日本プロレタリア文学研究』(桜楓社、1985年)、
『開高健書誌』(和泉書院、1990年)、
『河野多惠子文藝事典・書誌』(和泉書院、2003年)、
『浦西和彦著述と書誌』全4巻(和泉書院、2008〜9年)、
『文化運動年表』(三人社、2015年)
等々、多数。

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