■日本文学・日本語学・日本史学と上方文化本の図書出版

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作品詳細

ISBN:978-4-7576-0829-0 C3395
きんだいさっかのきそう
近代文学研究叢刊61 近代作家の基層 - 文学の〈生成〉と〈再生〉・序説
定価(税込): ¥5,400
表紙 著作者よみ はんだよしなが 
著者名 半田美永 著 著書検索
発売日 2017年03月30日
ジャンル 散文 - 近代・現代
判型A5/408頁

作家は作品を紡ぎながら、成熟する。そこには風土や、生育環境や、時代精神等との対峙がある。それらが輻湊し、作家の基層となって、名作がうみだされる。本書は、著者が関心をもつ作家と作品について、これまでに著述した論考をまとめたものである。生成と崩壊、そして再生。文学には、私たち人間の根幹にある〈生きる〉ことへの〈祈り〉が秘められている。身近な日常を襲うさまざまな困難に打ち克ち、〈蘇生する力〉を、「作品」を通じて学ぶことはできないだろうか。伊勢に住み、紀伊・熊野を見据えた著者の、近代作家・文学論。

目次
序章―文学の〈生成〉と〈再生〉

I 近代作家の基層
第一章 文学にみる西方志向―折口信夫『死者の書』の場合―
はじめに/(一)妣の国への通路としての〈熊野〉/(二)『死者の書』に描かれる〈闇〉と〈光〉/(三)〈日想観〉と〈化尼〉/おわりに

第二章 歌集『海やまのあひだ』の基層―迢空の揺曳と覚悟―
(一)書名について/(二)「あひだ」の精神/(三)『歌集』の成立/(四)伊勢・志摩から熊野へ/(五)「光充つ真昼」の意味/(六)《闇》から《光》へ/(七)奥熊野の向こうに/(八)おわりに

第三章 別離からの出発―天田愚庵『順礼日記』攷―
はじめに/(一)天田愚庵のこと (1)父母妹との別離(2)上京と出会い(3)鉄眼から愚庵へ/(二)『日記』に描かれる風景(1)伊勢路の風景(2)紀州熊野の山河/おわりに

第四章 鴎外における独逸体験と《東洋》―『舞姫』から歴史小説へ―
はしがき/(一)小倉在住の意義/(二)豊太郎とエリス/(三)東洋思想への傾斜/(四)母への手紙/(五)「白い、優しい手」と「夢の国」/むすび

第五章 斎藤茂吉の紀伊半島・熊野―『念珠集』の風景―
はじめに/(一)亡父母への思慕 (1)留学からの帰国(2)ミュンヘンで受けた実父の訃報(3)随筆集『念珠集』の背景/(二)巡礼者へのまなざし(1)日記と作品との差異(2)創作された遍路―二人の遍路(3)眼疾の遍路に重なる茂吉の心/おわりに

第六章 佐藤春夫「風流論」の基層―『熊野路』の伏流水―
はじめに/(一)地方の歴史と生活者へのまなざし/(二)蕪村への関心(三)「自然」と「人事」という概念/(四)佐藤春夫「『風流』論」の考察/(五)「木挽長歌」の全文と「小解」/おわりに 

第七章 母と娘の相克と愛―有吉佐和子『香華』試論
はじめに/(一)須永朋子の位置/(二)郁代の描かれ方(1)郁代の最初の結婚生活(2)郁代の再婚(3)母と娘の確執(4)つなと郁代と朋子―母性の逆転(三)朋子の上京(1)自立への道程(2)朋子の恋と挫折(3)母性の反照(4)母・郁代との接点/(四)朋子の心象風景としての舞台/おわりに

第八章 丹羽文雄『青麥』の位置―「まん中」からの脱却―
はじめに/(一)丹羽文雄の方法/(二)『青麥』壱の章の検討(1)祖母の存在(2)「人生のまん中にいる」という表現(3)生母との再会(4)父・如哉の描かれ方/(三)「人生のまん中」からの脱却/おわりに

第九章 丹羽文雄における《母と父》―『親鸞』への道のり―
はじめに/(一)母と父の再会/(二)紋多と父/(三)「親鸞」への傾斜/(四)「親鸞」と作家・丹羽文雄/(五)「親鸞」執筆の態度/まとめ―「横超」の可能性

第十章 井上靖『孔子』の旅―「逝くもの」の彼方に―
はじめに/(一)「逝くものは斯くの如きか」の解釈について/(二)〓薑とは何者か/(三)〓薑の負函再訪の意味/おわりに (〓は草冠に焉)

第十一章 阪中正夫『抒情小曲集生まるゝ映像』の誕生―文学の胚胎と生成―
はじめに/(一)「自序」に記された《芸術》の根源/(二)《愛》の対象としての《ふるさと》/(三)芸術観の形成―児玉充次郎の存在―/(四)詩集『六月は羽搏く』への通路―保田龍門との交わり―/むすび

第十二章 近代文学の土壌―和歌山県の場合―
序/(一)明治初期から中期へ(1)新聞・雑誌の発行(2)政治的啓蒙から歌学を中心とする雑誌へ(3)新聞にみる文芸記事の増加と同人雑誌/(二)明治から大正へ(1)文芸雑誌「はまゆふ」の創刊と佐藤春夫ら(2)農民詩の興隆と叫び(3)来訪者のまなざし/(三)昭和の相貌(1)昭和初期の雑誌(2)猪場毅の雑誌『南紀芸術』の創刊とその後/(四)地方文学史の意義と課題(1)文学における〈中央〉・〈地方〉の概念(2)近代文学史と和歌山県(3)現代の作家 

II 作家の跫(あしおと)〈評論・エッセイ〉
(1) 邂逅〈漱石と子規〉
(2) 愚庵と子規と喜作と
(3) 森鴎外の〈奈良〉
(4) 批評家としての態度〈佐藤春夫〉
(5) 佐藤春夫と旅行できなかった話〈太宰治〉
(6) 父祖の地のひろごり〈尾崎一雄〉
(7) 有吉佐和子と歌舞伎
〈i〉紀州三川の物語/〈ii〉「油屋おこん」のこと/まとめ―女性の側から見た歴史
(8) 作家の基層としての故郷〈丹羽文雄と田村泰次郎〉
(9) 横光利一と雨過山房
(10) 向田邦子の〈まなざし〉
(11) 阪中正夫との歩み、そして金田龍之介氏との出会い
(12) 昭和一〇年前後の阪中正夫
(13) 阪中正夫年譜の作成
(14) 森敦と阪中正夫―小説「玉菊」の背景―
(15) 阪中正夫生誕百周年記念事業の意義

III 熊野・伊勢〈紀行・インタビュー・講演録〉
〔i〕波及する近代、創造する熊野
一 熊野に関する調査・研究/二 作家に映じた《熊野》/三 文人たちの訪れ(1)與謝野鉄幹らの一行(2)田山花袋、折口信夫らの足跡/四 作品に取り込まれた《熊野》(1)詩歌―清白、芳水、寛、牧水ら(2)小説―三島由紀夫、井上靖と現代の作家たち/五 おわりに
〔ii〕今、なぜ熊野なのか。
はじめに/一 尾鷲から那智へ/二 大斎原から古道へ/おわりに
〔iii〕伊勢神宮・宇治橋と文学
はじめに―神宮と相対化される場・古市―/一 古歌に詠まれた五十鈴川と御裳濯川/二 宇治橋の向こう側に/おわりに  
〔iv〕熊野古道世界遺産登録一〇周年【インタビュー】
〔v〕中国・熊野・そして未来【インタビュー】
〔vi〕【講演録】近代作家の伊勢と熊野―紀伊半島の文化と文学―
一 地方に目を向け始めた近代作家たち/二 熊野の海/三 海と山と岩と湯と/四 大斎原をめざして/五 文人墨客の訪れ―伊勢から熊野へ―/おわりに
〔vii〕近代文学と熊野学

IV 阪中正夫作品【小説・放送台本】―解題と本文―
〔一〕小説「玉菊」とその本文 はじめに 解題 玉菊
〔二〕放送台本「幽霊ヒョロ助物語」 解題 幽霊ヒョロ助物語
あとがき
索引〔人名・事項・書名〕

著者略歴
1947年8月、和歌山県生れ。和歌山県立那賀高等学校を経て、皇學館大学大学院文学研究科博士課程修了(国文学専攻)。『佐藤春夫研究』で博士(文学)(論文博第9号、2003年)取得。
主要単著『劇作家阪中正夫―伝記と資料』(1988年、和泉書院)、『佐藤春夫研究』(2002、双文社出版)、『文人たちの紀伊半島』(2005年、皇學館出版部)。編著『証言阪中正夫』(1996年、和泉書院)、『伊勢志摩と近代文学』(1999年、和泉書院)、『阪中正夫文字選集』(2001年、和泉書院)等。共編著『紀伊半島近代文学事典』(浦西和彦・2002年、和泉書院)、『有吉佐和子の世界』(井上謙・宮内淳子・2004年、翰林書房)、『丹羽文雌文藝事典』 (秦昌弘・2013年、和泉書院)、他共同執筆、論文、エッセイ.講演等多数。歌集『中原の風』(2008年、短歌研究社)等。
智辯学園和歌山中学・高等学校教諭等を経て、1984年4月、皇學館大学に専任講仰として赴任。助教授、教授を経て、2013年3月、文学部長を最後に定年退職。
現在、皇學館大学文学部特別教授。中国河南大学、河南師範大学客座教授。放送大学非常勤講師。
国際熊野学会常任委員 、解釈学会常任委員、子規研究の会代表理事(会長)等を務める。森鴎外記念會、昭和文学会会員。

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