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作品詳細

ISBN:978-4-7576-0866-5 C3395
げんじものがたりろんこう
研究叢書494 源氏物語論考 - 古筆・古注・表記
定価(税込): ¥9,720
表紙 著作者よみ たさかけんじ 
著者名 田坂憲二 著 著書検索
発売日 2018年02月23日
ジャンル 散文 - 中古
判型A5/328頁

新出資料の発掘で活気を見せる古筆切研究だが、公刊された資料の中には重要資料が埋没していたり、研究の進展で再検討が可能となったものがある。善本の翻刻・影印が進む古注釈研究だが、最善本以外の写本を視野に入れることにより、最善本を相対化できるいっそう精密な視点を獲得できる。『校異源氏物語』から七十有余年袋小路に陥っている校本研究だが、技術革新の進んだ今日、新しい視点や方法論によって従来とは異なる校本を作る時期に来ている。こうした状況を踏まえ、様々な問題点を丹念に拾い上げて実証的に分析し、全体を見通す新たな論理や方法論を提示する。個別の知見を得られるのみならず、学問は深化し研究には未来があることを実感できる論文集である。

目次
序に代えて
I 古筆切落ち穂拾い
 第一章 伝聖護院道増筆断簡考
  はじめに
  一 伝道増筆「源氏物語切」について                      
  二 大島本桐壺巻の用字法          
  三 大島本桐壺巻の用字法・続   
  四 道増筆『伊勢物語』について       
  五 「拾遺集切」「平家物語切」について   
  おわりに    
 第二章 『源氏釈』古筆切三葉について
  はじめに                  
  一 研究史概観   
  二 伝顕昭筆断簡二葉            
  三 伝阿仏尼筆断簡
  おわりに    
 第三章 『源氏釈』古筆切拾遺
  はじめに                   
  一 『源氏釈』古筆切集成データベース     
  二 竹柏園旧蔵『源氏釈』断簡の出現      
  三 引歌作者名を記す『源氏釈』   
  四 伝津守国冬筆『源氏釈』断簡の紹介     
  おわりに   
 第四章 初稿本系『紫明抄』古筆切考
  はじめに                   
  一 伝二条為世筆紫明抄切    
  二 伝慈円筆源氏物語注釈切          
  おわりに
II 『紫明抄』を校訂する
 第五章 二種類の『紫明抄』
  はじめに                   
  一 『源氏物語事典』の分類など    
  二 花宴巻の三冊本と京大本          
  三 賢木巻の三冊本と京大本  
  おわりに
 第六章 内閣文庫三冊本『紫明抄』追考
  はじめに                   
  一 内閣文庫三冊本の特色   
  二 複数項目の合体              
  三 明瞭な独自項目 
  四 手習巻のその他の項目           
  五 浮舟巻・蜻蛉巻の例 
  おわりに
 第七章 内閣文庫本系統『紫明抄』の諸本について
  はじめに                   
  一 引用本文と注釈本文の書式から    
  二 本文の異同などから         
  三 龍門文庫本・神宮文庫本と内閣文庫十冊本の対立   
  四 東大本と島原松平文庫本          
  五 島原松平文庫本は東大本の転写か
  おわりに
 第八章 京都大学本系統『紫明抄』と内閣文庫本系統『紫明抄』
  はじめに                   
  一 引用本文の長短   
  二 引用本文の相違              
  三 「或」「イ」として掲出されるもの  
  四 注釈の相違                
  五 項目の順番、項目の有無
  おわりに   
 第九章 京大文学部本『紫明抄』と京大図書館本『紫明抄』
  はじめに                   
  一 図書館本の本文が劣る部分   
  二 文学部本の重複箇所            
  三 文学部本の脱字と衍字
  四 注釈内容に関わるもの           
  おわりに   
 第十章 京都大学本系統『紫明抄』校訂の可能性
  はじめに                  
  一 『紫明抄』の伝本と系統    
  二 京都大学本系統の本文の問題・桐壺巻から     
  三 京大文学部本の修正・帚木空蝉夕顔巻から   
  四 分冊の問題など             
  おわりに 
III 表記の情報と情報の表記
 第十一章 諸本対照型データベースの提案
  はじめに                  
  一 『源氏物語大成』を継ぐもの   
  二 早蕨巻諸本対校表から          
  三 視覚的効果を考慮した対校表   
  四 巻別校本への道             
  おわりに   
 第十二章 字形表示型データベースの提案
  はじめに                  
  一 翻刻作業と表記情報   
  二 大島本桐壺巻頭と帚木巻頭        
  三 桐壺巻頭と帚木巻頭との変体仮名の相違 
  四 大島本桐壺巻の仮名の用字法       
  おわりに 
 第十三章 表記情報から見た内閣文庫本系統『紫明抄』
  はじめに                  
  一 真木柱巻第三三項目の検討   
  二 行幸巻第一一・一二項目の検討      
  三 少女巻第一一項目の検討 
  おわりに    
 第十四章 表記情報から見た京都大学本系統『紫明抄』
  はじめに                  
  一 一般的法則の見通し・序文から   
  二 一般的法則の確認・帚木夕顔巻の例    
  三 図書館本・文学部本の漢字・仮名の表記の対立
  四 図書館本・文学部本の仮名の表記の対立  
  おわりに
 第十五章 改行・改丁・字母から見た内閣文庫本系統『紫明抄』
  はじめに                  
  一 改行情報と字母情報・須磨巻の例から   
  二 改丁情報と字母情報・初音巻の例から   
  三 改行情報から見た内閣文庫本系統
  四 例外的事象について           
  おわりに

初出一覧
あとがき

著者略歴
1952年福岡県生まれ。九州大学大学院博士後期課程中退。博士(文学)。福岡女子大学教授、群馬県立女子大学教授などを経て、2012年から慶應義塾大学文学部教授。専門は日本古典文学。
著書に『源氏物語の政治と人間』(慶應義塾大学出版会、2017年)、『名書旧蹟』(日本古書通信社、2015年)、『源氏物語の方法を考える―史実の回路』(共編著、武蔵野書院、2015年)、〈源氏物語古注集成〉一八『紫明抄』(おうふう、2014年)、『源氏物語享受史の研究』(風間書房、2009年)、『源氏物語の人物と構想』(和泉書院、1993年)など。

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