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作品詳細

ISBN:978-4-7576-0939-6 C3395
みなかみたきたろうのぶんがく
近代文学研究叢刊68 水上瀧太郎の文学 - サラリーマン小説の誕生
定価(税込): ¥6,600
表紙 著作者よみ あみくらいさお 
著者名 網倉勲 著 著書検索
発売日 2020年03月06日
ジャンル 散文 - 近代・現代
判型A5/352頁

水上瀧太郎の文学的生涯は作家とサラリーマンの生き方を併進した事に特色がある。物の本質を究めようとする作家の目は、大正から昭和初期の激動する時代に翻弄されるサラリーマンの実態を、「大阪の宿」を始めとする一連のサラリーマン小説に描き出した。同時に「貝殻追放」では社会の矛盾や虚偽を指弾し、また軍国主義に迎合する社会の風潮を批判した。大正二年から二十八年間綴られた二百余編の「貝殻追放」は正に時代の貴重な証言と言えよう。文壇から距離を置いたことから文壇批判に当時の混迷した文壇事情が窺えて興味深い。虚偽を糺す正義感と時流に迎合しない批判精神、自立心が瀧太郎文学の根底にある。
本書では時代背景と作品を照応することによって瀧太郎文学の本質を明らかにした。

目次
目次
凡例
まえがき
 瀧太郎文学の主な特色
 瀧太郎が目指したもの―志は高かるべし―
 本書の構成
1 小説論考
 「大阪」「大阪の宿」―サラリーマン小説誕生―
  二 サラリーマン小説誕生の背景
  三 サラリーマンとしての主人公「三田」登場
  四 おわりに―サラリーマン小説としての絵巻物式描写
 〈サラリーマンの目〉〈作家の目〉誕生―水上瀧太郎「サラリーマン小説」の展開―
  一 はじめに
  二 サラリーマンとしての瀧太郎
  三 瀧太郎のサラリーマン小説の本質
  四 サラリーマン小説を描く瀧太郎の視点
  五 おわりに
2 「貝殻追放」論考
 「新聞記者を憎むの記」
  一 はじめに
  二 「新聞記者を憎むの記」の時代背景
  三 「新聞記者を憎むの記」の意味するもの
  四 「貝殻」を投ずる「市民」誕生――三つの体験
  五 おわりに
 「ものゝふのみち」―皇紀二千六百年に於ける三国同盟批判―
  一 はじめに
  二 作家としての瀧太郎
  三 実業家としての瀧太郎の立場
  四 おわりに
 「指導者氾濫」
  一 はじめに
  二 昭和十三年における作家としての瀧太郎の立場
  三 実業家としての瀧太郎の立場
  四 不掲載とした『文藝春秋』の立場
  五 おわりに
3 戯曲研究―創作空白期間の謎―
  一 はじめに
  二 戯曲の分類と留意点
  三 戯曲の本質
   ア テーマは身近な人間関係 イ 劇的効果の追究 
   ウ イプセン、チェーホフ、アイルランド劇との関係
  四 創作「空白期間」の「謎」の解明
   ア 大正「群小劇団乱立期」での失望 
   イ レーゼドラマから演劇戯曲への転換   
   ウ 文学的視点の転換 
  五 おわりに――瀧太郎戯曲の断筆
4 米国・英国留学体験と水上瀧太郎文学
  一 はじめに
  二 瀧太郎の米国体験
  三 瀧太郎の英国体験
  四 おわりに
5 水上瀧太郎「精神的主幹」時代の『三田文學』
  一 はじめに
  二 荷風・澤木四方吉時代の雑誌と義塾との関わり
  三 雑誌の命運を左右する義塾からの資金援助
  四 『三田文學』復活の経緯
  五 瀧太郎の雑誌復活の理念と三つの基本路線
  六 おわりに
6 神奈川近代文学館所蔵籾山仁三郎宛水上瀧太郎書簡
    はじめに
    解題
    凡例
    i   大正三(一九一四)年 一月十日発信
    ii    〃         二月四日発信
    iii   〃        二月十九日発信
    iv   〃        三月十四日発信
    v    〃        十二月十日発信
    vi大正四(一九一五)年二月十六日発信
7 村松定孝「水上瀧太郎と大信田落花の功績」への疑義
  一 本稿の目的
  二 「水上瀧太郎と大信田落花の功績」の論点
  三 事実の検証
  四 瀧太郎「細表」と落花『年表』・『目録』の比較検討
  五 結論
水上瀧太郎年譜
初出一覧
索引
 人名索引
 作品・著書名・論文名等索引
あとがき

著者略歴
昭和 19(1944)年 山梨県生。
昭和42(1967)年 明治生命保険相互会社入社。
平成18(2006)年 同社関連会社退職。
平成20(2008)年 慶応義塾大学文学部卒業。
平成25(2013)年 青山学院大学院文学研究科日本文学日本語専攻博士後期課程満期退学。
主要著作 書評(水上瀧太郎『銀座復興』)「大震災を見つめるサラリーマンの目・作家の目」(三田文學)、『オンライン版 三田文學』(丸善雄松堂)の「解題・参考資料」の内「水上瀧太郎」を執筆。

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