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作品詳細

ISBN:978-4-7576-0978-5 C0395
のぐちよねじろうとしんぴなるにほん
大阪市立大学人文選書8 野口米次郎と「神秘」なる日本
定価(税込): ¥1,760
表紙 著作者よみ ほりまどか 
著者名 堀まどか 著 著書検索
発売日 2021年02月03日
ジャンル 韻文 - 近代・現代
判型四六判/216頁

1914年英国のロンドン各所やオックスフォード大学で、国際派詩人・野口米次郎は従来の俳句の価値を転換させるような講演をおこなった。どのような雰囲気のなかで何を語ったのか、彼は何を求められていたのか。どうしてそのような英詩の伝統に対する挑戦的な主張がそのとき可能だったのか。本書は10年ごとに時代をさかのぼるかたちで、野口米次郎の前半生をたどりその時代性を捉える。そこには神秘主義・心霊主義ブーム、神秘なる「日本」の伝統や東洋の宗教思想が注目された時代の潮流がみえてくるだろう。野口米次郎はどのように英詩人としてデビューしたのか、その周辺にはどのような人々がいたのだろうか。シカゴ宗教会議の影響や、その直後からアメリカで拡がるヨーガと日本人との関連はどうだろうか。最終章には、心霊治療家の木村秀雄とその妻である舞踊家・駒子のアメリカ体験について紹介し、神秘なる「日本」の射程の拡がりについて眺める。

目次
 はじめに
  日本文学は世界の主要な文学?
  俳句の価値を転換?
  日本の詩人、東洋の詩人
第一章 野口米次郎の日本紹介のなかの神秘性
 1−1 英国における俳句についての講演
  神秘的な会場での講演
  オックスフォードの詩人ブリッジズの要求
  披露された詩論
  俳句の紹介のなかの神秘性
  芭蕉「古池や」の評価と解説
  読者によって完成する文学
  野口の講演に対する英米における評価
 1−2 神秘なる詩としての能
  狂言と能の紹介
  イェイツとの対話と詩的芸術の革新
  能の解説に対する評価
第二章 帰国後の野口米次郎と神秘の関係
 2―1 日本から発信する日本の神秘
  11年ぶりの祖国
  鎌倉円覚寺での瞑想空間
  宗教性と『巡礼』(1909)
  日本的モチーフへの取り組み
  神秘の日本を伝える使命
 2―2 日本文壇のなかでの活動
  日本の文壇人たちとの交流
  宇宙に刻まれている〈詩〉
  蒲原有明の〈象徴詩人芭蕉〉宣言と仏教への傾斜
  象徴詩運動の中の国家・民族・伝統
第三章 新大陸アメリカのなかの「神秘」志向
 3―1 秘教思想に出逢った若き日本人たち
  幕末の若き日本人と英米の心霊主義ブーム
  ハリスの「日本についての予言」
  アメリカ西海岸の神秘なる大地
  日本からの加州移民と宗教関係者
 3―2 シカゴ万国宗教会議と日本の宗教
  1893年の万国宗教会議
  宗教会議からヨーガの人気へ
  初期のヨーガへの反発
第四章 野口米次郎の英詩と宗教性
 4−1 渡米前後
  瞑想の「丘」での詩的体験
  渡米前にうけていた教育
  当時の日本で語られていた芭蕉
 4−2 カリフォルニアという場所から
  芸術家コミュニティの空気
  ハリス教団の新井奥邃と長澤鼎
  野口米次郎と神秘主義者との関わり
 4−3 神秘なる異国の詩人ヨネノグチ
  はじまりの『明界と幽界』(1896)
  「神秘なる日本」への関心
  自己出版の『東海より』(1903)
  求められていた日本の詩人像
第五章 「神秘」とその展開
 5―1 心霊治療家・木村秀雄と、その妻・駒子
  木村秀雄のミラーの「丘」詣で
  秀雄とバーナードの遭遇
  日本における「観自在」の布教活動
  駒子の独特な実践活動
  アメリカにおける精神治療の布教活動
 5―2 宗教、舞踊、社会意識
  舞踊家としての自負
  帰国後の評価と活動
  霊性思想と詩、宗教
 本書に関連する年譜(野口米次郎を中心に)
 おわりに

著者略歴
山口県生まれ
現在:大阪市立大学文学部文化構想学科アジア文化コース准教授、博士(学術)
専門:国際日本研究、境界者の文学と思想の研究。
著書:『「二重国籍」詩人 野口米次郎』名古屋大学出版会 2012年(第34回サントリー学芸賞受賞・芸術文学部門)。
共著:『わび・さび・幽玄―「日本的なるもの」への道程』(鈴木貞美編、水声社、2006年)、『講座小泉八雲1―ハーンの人と周辺』(平川祐弘編、新曜社、2009年)、『バイリンガルな日本語文学―多言語多文化のあいだに』(郭南燕編、三元社、2013年)、『近代日本とフランス象徴主義』(坂巻康司編、水声社、2016年)、『映しと移ろい―文化伝播の器と蝕変の実相』(稲賀繁美編、花鳥社、2019年)他。
共訳書:『詩集明界と幽界:Seen and Unseen』(亀井俊介監修、彩流社、2019年)。

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