■日本文学・日本語学・日本史学と上方文化本の図書出版


太宰治研究13



目次



〔作品論〕

特輯・「パンドラの匣」から「苦悩の年鑑」まで

『パンドラの匣』論 浅田高明
「庭」論―笑う弟、笑わぬ兄 九里順子
太宰治「嘘」論―挫折する〈愛国〉、呪詛される〈女〉 鈴木直子
太宰治「貨幣」論―仮構された〈母〉
〈日本〉 安藤恭子
「やんぬる哉」考―語り手「私」の〈詐術〉 戸松泉
〈書くこと〉・「文化展望(メディア)」・津軽人―太宰治「十五年間」という小説あるいは「ヤケ酒の歴史」 松本和也
「未帰還の友に」と「徒然草」―二葉亭と梶井基次郎が太宰の作品に落とした影と併せて 石井和夫
「冬の花火」論〜〈落ちた偶像〉 岡本卓治
「苦悩の年鑑」論 斎藤順二
大仰な「新郎」 奥出健
太宰治と「律子と貞子」―作品・『聖書』・キリスト教 武田秀美
〈道化〉の零度―「佳日」論 猪狩友一

〔資料紹介〕
臼井喜之介、神戸雄一宛各葉書一通 山内祥史
太宰治ビブリオグラフィー 一九九九〜二〇〇〇 山内祥史

〔作家論〕
「興あるロマンス」の希求―芭蕉の「かるみ」と太宰治「富嶽百景」の単一表現 鈴木邦彦 

〔作品評釈〕
「清貧譚」評釈(二) 大野正博




編集後記

 
 第一三輯には四種の文章を掲げた。「作品論」と「資料紹介」と「作家論」と「作品評釈」とである。
 「作品論」欄は、「特輯『パンドラの匣』から『苦悩の年鑑』まで」とした。「パンドラの匣」は、太平洋戦争中の一九四三(昭和一八)年九月から一〇月にかけて書き下ろされた「雲雀の声」を基にしているが、戦後の一九四五(昭和二〇)年九月下旬から一一月上旬までに改稿され、一九四五(昭和二〇)年一〇月二〇日から一九四六(昭和二一)年一月七までに発表された作品である。また、「庭」以下「苦悩の年鑑」までは、一九四五(昭和二〇)年一一月中旬から一九四六(昭和二一)年四月下旬までの間に脱稿され、一九四六(昭和二一)年一月から六月までの間に発表された作品である。まさに敗戦直後に改稿または起稿して脱稿した作品群といってよい。執筆を担当していただいた方々は、すでに数冊の太宰治研究書を刊行されている浅田高明氏はじめ、何篇かの太宰治関係論考を発表されている方々ばかりである。この九人の方々の作品論に、「新郎」「律子と貞子」「佳日」の三篇の作品論を加えて掲げ、これまでの作品論の欠を補った。各々に力の籠った論考を寄せて下さった執筆者各位に、感謝の意を表したい。
 「資料紹介」欄では、『太宰治全集』に未収の臼井喜之介宛と神戸雄一宛との各葉書一通を紹介し、また、「太宰治ビブリオグラフィー」の「一九九九〜二〇〇〇」を紹介した。
 「作家論」欄に執筆していただいた鈴木邦彦氏は、「静岡新聞」「伊豆新聞」「太宰治の人と芸術」「沼津工業高等専門学校研究報告」「静岡近代文学」などに、多くの太宰治関係の論考を発表されている。「太宰治と俳諧」にも深い関心を寄せておられるようだったので、「太宰治と芭蕉」について論じてもらった。相馬正一、鳥居邦朗、東郷克美、渡部芳紀の各氏によって論じられてきた、太宰治の「かるみ」の問題を論じられていて興味深い。
 「作品評釈」欄には、前輯にひきつづき、大野正博氏に「『清貧譚』評釈」の続稿を掲げていただき、完結していただいた。(後略)(山内祥史)
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