■日本文学・日本語学・日本史学と上方文化本の図書出版


太宰治研究12



目次



〔作品論特輯〕
「散華」から「お伽草紙」まで

〔作品論〕
「散華」論―三位(文学・死・戦争)一体への唱和と回心―竹内清己
「雪の夜の話」論 大塚美保
「東京だより」 抵抗の文学 論 布野栄一
太宰治『津軽』小論―未成の素因と未生の者への言葉― 横手一彦
太宰治「竹青」を読む―魚容の〈身内世界〉への執着― 池川敬司
「惜別」論―「周さん」を語り出す方法をめぐって― 高橋宏宣
『お伽草紙』〈「瘤取り」論ノート 郡 継夫
「浦島さん」論 奥野政元
「カチカチ山」論 根岸泰子
「舌切雀」論―凡庸な疎外者を軸に― 野松循子〉
太宰治初期作品論―社会主義運動の意味― 石田忠彦
「大力」論 須田千里/「人魚の海」論―二つの自画像― 小泉浩一郎

〔資料紹介〕
太宰治の芥川体験―実在の日記が語る真実― 相馬正一
太宰治ビブリオグラフィー 研究参考書一九七一補遺、一九八〇補遺、一九九九〜二〇〇一 山内祥史

〔作家論〕
源実朝と太宰治 藤原耕作
井原西鶴と太宰治―昭和一〇年代・西鶴再評価の中で― 木村小夜
太宰治と聖書―戦時下昭和一九・二〇年の接点― 千葉正昭

〔作品評釈〕
「猿ケ島」評釈 村上林造
「清貧譚」評釈(一) 大野正博




編集後記

 
 「太宰治研究」第一二輯には、四種の文章を掲げた。「作品論」「資料紹介」「作家論」「作品評釈」の四種である。
 「作品論」欄は、「『散華』から『お伽草紙』まで」の特輯とした。予定していた作品論のうち、「佳日」論だけが筆者の都合で間にあわなかった。次輯に掲載したいと思う。その他、「太宰治初期作品論―社会主義運動の意味」は、「太宰治と社会主義運動―一九三二年」と題する「作家論」として依頼したのであったが、筆者の希望を尊重して「作品論」に変更することにした。また、第一一輯の「特輯『新釈諸国噺』」に掲載できなかった三篇のうち、「『大力』論」と「『人魚の海』論」とを掲げることができた。あとの一篇「『破産』論」は、次輯に掲げたいと思う。以上、力のこもった作品論を寄せてくださった各執筆者に、謝意を表しておきたい。
 「資料紹介」欄には、相馬正一氏の「太宰治の芥川体験―実在の日記が語る真実」を掲げた。「太宰治研究」第三輯(一九九六年七月)に掲げた伊藤榮一氏の「芥川龍之介と青森―太宰治は芥川の講演を聞いたか」に対する反証の提示である。相馬氏にはすでに、「若き日の太宰治と芥川龍之介」上中下(「夕刊東奥日報」二〇〇三年六月一六日〜一八日)の稿もある。「実在の日記」を提示されて、伊藤氏はどのように対応されるのか、関心をもって待ちたいと思う。「太宰治ビブリオグラフィー」は、「研究参考書」として「一九七一」「一九八〇」の「補遺」と「一九九九〜二〇〇一」とを掲げた。
 「作家論」欄では、実朝と西鶴という二人の古典文学者と太宰治との関係を論じてもらった。藤原耕作氏には「『右大臣実朝』論」(「国文論叢」第一八号、一九九一年三月)の稿があり、木村小夜氏には『太宰治翻案作品論』(和泉書院、二〇〇一年二月)の著書がある。また「太宰治と聖書」を論じてもらった千葉正昭氏にも、太宰治と聖書の関わりについて論じた多くの論考がある。
 「作品評釈」欄には、二篇の評釈を掲げた。村上林造氏には「太宰治『猿ヶ島』の授業」(「あしかび」第四四号、一九九三年六月)の労作があり、大野正博氏にも「聊斎志異『黄英』研究―太宰治『清貧譚』との比較による作意の考察」(「集刊東洋学」第二五号、一九七一年五月)や「『清貧譚』論」(「太宰治研究」第七輯、二〇〇一年二月)の労作がある。「『清貧譚』評釈」は、紙幅の都合で二回に分載させていただく。(後略) (山内祥史)
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