■日本文学・日本語学・日本史学と上方文化本の図書出版

太宰治研究10


目次


〔作品論特輯〕
『最後の太閤』から『学生群』まで

〔作品論〕
「最後の太閤」論 和田季絵
太宰治「虚勢」論―〈家族〉への〈開眼〉 吉岡真緒
「角力」論 青木京子
「犠牲」小論―中学時代の習作における自尊心 永吉寿子
「地図」論 米田知世
「負けぎらひト敗北ト」 萬所志保
「私のシゴト」論 洞口薫子
「針医の圭樹」論 森本宏美
「瘤」論 石原みずき
「将軍」論―〈習作〉論への一視点 北川秀人
「哄笑に至る」―「思ひ出」と比較して 岩田恵子
「口紅」論 阿部則子
「モナコ小景」論 小林幹也
太宰治「怪談」小考 高橋恵利子
「名君」論 大平 剛
習作「長篇小説無間奈落」論 寺田達也
「彼等と其のいとしき母」論―糞尿の塊としての石塊 大國眞希
「此の夫婦」論 鴇田 亨
「掌篇鈴打」論 住吉直子
「哀蚊」とその自作引用をめぐって 権田和士
太宰治「虎徹宵話」試論―〈左翼思想的傾斜〉の再検討 坂元昌樹
「花火」論 松村まき
「いいか、私はこんな男なのだ」―「地主一代」の語り 高橋秀太郎
「学生群」論―その〈ホモ・ソーシャリティ〉性への注目を軸として 宮崎靖士
「水仙」論 長野秀樹

〔資料紹介〕
太宰治全集未収書簡―福士四郎宛 米田省三
太宰治ビブリオグラフィー―研究参考書一九九八 山内祥史

〔回想記〕
太宰・井伏の食い違い 野平健一




編集後記

 
 「太宰治研究」第一輯は、一九九二年六月発行を目標に準備をすすめた。実際の発行は、一九九四年六月であったが、創刊を企画した時からいえば、ざっと一〇年の歳月が経過したことになる。このたび、第一〇輯を発行することになって、和泉書院社長廣橋研三氏から、なにか記念になるような特輯をという要請があった。検討した末、ご覧のように、「作品論」欄で初期習作論の特輯をすることになった。その理由のひとつは、最近、太宰治関係の論文を書く若い世代の研究者が、目立って多くなったことにある。この若い世代の研究者たちは、若き日の太宰治の作品を、どのように感じているのか、いちど論じて示してもらいたいという想いがあった。それで、一九二五(大正一四)年数え年一七歳から一九三〇(昭和五)年数え年二二歳までの六年間に執筆され、「太宰治」以外のさまざまな署名で発表された習作類二五篇を、新進気鋭の研究者たちに論じてもらうという企画をたてた。執筆者の都合で、「『股をくゞる』論」一篇だけ掲載できなかったが、他の二四篇の習作論を掲げることができた。執筆してくださった方々にお礼申しあげたい。「『股をくゞる』論」は次輯に掲げたいと思っている。「作品論」欄には、これまでに掲載を予定していながら実現できていなかった三篇の作品論のうちの一篇「『水仙』論」も掲げることができた。力篇を寄せてくださった長野秀樹氏に、お礼申しあげたい。
 「資料紹介」欄には、米田省三氏の「太宰治全集未収書簡―福士四郎宛―」を掲げた。米田省三氏は、青森県近代文学館室長をされていた頃、「太宰治全集未収書簡―津島れい宛―」を寄せてくださったことがある。それに続く、貴重な紹介だ。全集未収の太宰治の文章や書簡は、今後も可能なかぎり紹介していきたいと思っている。「太宰治ビブリオグラフィー」は、「研究参考書 一九九八」を掲げた。歿後五〇年にあたる年で、研究参考書の刊行が多かったため、一年だけに限定した。
 「回想記」欄には、野平健一氏の「太宰・井伏の食い違い」を掲げた。野平健一氏は、もと雑誌「新潮」の編集部記者で、「斜陽」や「如是我聞」の担当者であったことで知られている。
 他に、「『逆行』評釈(二)」など、三篇の作品評釈を予定していたが、実現できなかった。今後も執筆交渉を進めていきたいと思っている。(後略)(山内祥史)
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