■日本文学・日本語学・日本史学と上方文化本の図書出版


太宰治研究9



目次


〔作品論特輯〕
『道化の華』から『花吹雪』まで

〔作品論〕
「道化の華」の現在性 長部日出雄
「彼は昔の彼ならず」論 川崎和啓
「満願」論 細江 光
「デカダン抗議」の遊蕩 佐藤秀明
「春の盗賊」論―多元的な物語世界 清水康次
「古典風」論 榊原理智
太宰治「ろまん燈籠」―コラボレーションへの憧憬 大本 泉
「恥」を読む 小田桐弘子
卑屈ということ―「禁酒の心」 松本常彦
「花吹雪」論―この作者の持つ笑ひはいまの大方の読者にすゝめたいものがある 須田喜代次

〔モデル考証〕
三鷹通信 旧中鉢家―「朝」と「斜陽」と「グットバイ」と 小船井美那子・島田怜子

〔回想記〕
義兄太宰治と姉美知子 石原 明

〔資料紹介〕
「新ハムレツト」論―朗読劇「迎へ火」の典拠について 宮地弓子
太宰治ビブリオグラフィー―一九九六〜一九九七 山内祥史

〔作家論〕
葛西善蔵と太宰治 相馬正一

〔作品評釈〕
「逆行」評釈(一) 山崎正純
「富嶽百景」評釈(三) 川崎和啓




編集後記

 
 第九輯には、「作品論」「モデル考証」「回想記」「資料紹介」「作家論」「作品評釈」の六種類の文章を掲げた。
 「作品論」欄には、「道化の華」から「花吹雪」までの、一〇篇の作品論を掲載した。作品の発表年月でいえば、昭和九(一九三四)年一〇月から昭和一九(一九四四)年八月までに発表された作品ということになる。気鋭の近代文学研究諸家一〇氏の力篇が得られて幸いであった。他に「新郎」「律子と貞子」「水仙」等の論も予定していたが、執筆者が体調をくずされるなどして、実現できなかった。次号には、ぜひこれらの作品論も掲げたい。
 「モデル考証」では、「みたか太宰の会」の小船井美那子氏と島田玲子氏とに、旧中鉢家を中心としたモデル考証をしていただいた。太宰治が戦後帰京した直後に借りた、この仕事部屋に関わる事項の綿密な調査の結実である。
 「回想記」欄には、太宰治夫人津島美知子氏の実弟石原明氏の寄稿を得ることができた。第七輯に続く、貴重な回想記である。とくに、美知子氏と左源太氏とにまつわる回想は、胸をうつ。
 「資料紹介」欄では、宮地弓子氏に、「新ハムレット」に掲げられた朗読劇「迎へ火」の典拠を紹介していただいた。積年の努力の成果である。「太宰治ビブリオグラフィー」は、「一九九六〜一九九七」として、第七輯に続く稿を掲げた。
 「作家論」欄には、相馬正一氏の「葛西善蔵と太宰治」を掲げた。氏が、久方ぶりに、ふたりの郷土の作家を論じた稿として、興味ぶかい。なお、この稿は、第八輯に掲げる予定であったのだが、発行日との関係で、第九輯に掲げることになってしまったものだ。長く待っていただいたことを、お詫び申し上げておきたい。
 「作品評釈」欄には、山正純氏の「『逆行』評釈」の前半部と、川崎和啓氏の「『富獄百景』評釈」の完結部とを掲げることができた。両作品の研究に、貴重な一石を投じた稿といえよう。山氏には、体調をくずされているなか執筆していただきながら、予定していた第八輯に掲げられなかったことを、また、川崎氏には、全稿一昨年末にいただいていながら、掲載の完了が今になってしまったことを、各々お詫び申しあげておきたい。(後略)(山内祥史)
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