■日本文学・日本語学・日本史学と上方文化本の図書出版


太宰治研究8



目次


〔作品論特輯〕
『十二月八日』から『作家の手帖』まで

〔作品論〕
戦時下の太宰治―「十二月八日」をめぐって 都築久義
「待つ」論―叙法・実相・時代 千葉正昭
「正義と微笑」論―信と身体 廣瀬晋也
写真を介した語り―太宰治「小さいアルバム」を起点として 山口俊雄
「花火」に見る太宰的虚構のシステム 真銅正宏
ある蕩児の帰宅―太宰治「帰去来」論 永井 博
「故郷」論 片山倫太郎
「黄村先生言行録」論―〈教訓〉譚への転位 山口浩行
「鉄面皮」論 赤木孝之/太宰治「赤心」摘記 田口律男
イロニーと天皇―「右大臣実朝」 井口時男
「不審庵」論 米田幸代/「作家の手帖」論―イロニーの戦略 柴田勝二

〔回想記〕
太宰治と天下茶屋 橘田茂樹

〔モデル考証〕
「パンドラの匣」《つくし》のモデル 浅田高明

〔資料紹介〕
太宰治ビブリオグラフィー―研究参考書 一九九三補遺 一九九六〜一九九七 山内祥史

〔作家論〕
ヴィヨンと太宰治 田辺 保

〔作品評釈〕
「めくら草紙」評釈 木村小夜
「富嶽百景」評釈(二) 川崎和啓




編集後記

 
 第八輯には、「作品論」「回想記」「モデル考証」「資料紹介」「作家論」「作品評釈」の六種の文章を掲げた。
 「作品論」欄は、「特輯『十二月八日』から『作家の手帖』まで」とし、一九四二(昭和一七)年から一九四三(昭和一八)年にかけて発表された作品を、気鋭の近代文学研究家一三氏に論じていただいた。これまでほとんど、作品論らしいものの見られなかった作品も多い。力作、好論を多く掲げえて、貴重の特輯にすることができた。
 「回想記」では、甲府在住の橘田茂樹氏に依頼して、「富嶽百景」に登場する茶店の「おばさん」「娘さん」のモデルなどに想い出を聞いていただき、太宰治と天下茶屋との関わりを紹介していただいた。天下茶屋の人たちの一九三八(昭和一三)年頃の写真は、初公開と聞いている。
 「モデル考証」では、「パンドラの匣」に造詣の深い浅田高明氏に、「西脇一夫(つくし)」のモデルを考証していただいた。このモデルの写真も、初公開のはずである。
 「資料紹介」欄には、「太宰治ビブリオグラフィー」の第六輯に続く稿を掲げた。「作家論」欄には、フランス文学研究家田辺保氏の「ヴィヨンと太宰治」を掲げることができた。田辺氏は、パスカル研究の第一人者であって、パスカルと太宰治との関わりについての氏の指摘も、示唆に富む。ちなみに、パスカルは、一六二三年六月一九日の生まれで、その二八六年後の一九〇九年六月一九日に、太宰治が誕生している。
 「作品評釈」欄には、木村小夜氏の「『めくら草子』評釈」と川崎和啓氏の「『富嶽百景』評釈(二)」とを掲げた。これら評釈は、向後の作品研究の進展に重要な役割を果たしてくれるものと信じている。(後略) (山内祥史)
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