新刊案内(01年8月)


 『優曇華物語』
 大高洋司編 本体10,000円
  (読本善本叢刊)A5・上製・函入 355頁 ISBN4-7576-0123-9

 『優曇華物語』(うどんげものがたり・文化元年十二月刊)は、山東京伝の読本第三作であり、初作『忠臣水滸伝』・二作『安積沼』での試行錯誤の末に、本作において獲得された長編読本の構成方法〈読本的枠組〉は、以後数多く刊行された〈稗史もの〉読本の基本形となった。後期読本の展開にとって逸することのできない重要作である。『山東京伝全集第十五巻 読本1』(ぺりかん社刊)にすでに翻刻が備わるが、今回全集版と同じく故水野稔氏旧蔵本(元平戸藩所蔵、現明治大学図書館所蔵)を底本として影印を行った。旧水野本は、初印本の形態を最も善く留める美しい本であるが、最終巻(巻之五下)に惜しくも存する虫損箇所については、次善と目される編者架蔵本によって補い、研究用テキストとして万全を期している。解題には、書誌的事項に加え、内容理解に資する新見を多く盛り込んだ。後に馬琴に批判された唐絵師喜多武清(きたぶせい)の起用についても、作者の意図に即した説明を試みている。先年上梓した本叢刊『忠臣水滸伝』と共に、本書の刊行が生成期江戸読本に対する認識の深まりに繋がれば幸いである。

〔内容目次〕 例言 優曇華物語巻之一/巻之二/巻之三/巻之四上/巻之四下/巻之五上/巻之五下 解題 校勘箇所

 ▼読本善本叢刊既刊
 『忠臣水滸伝』  大高洋司編 本体13,000円 ISBN4-87088-928-5
 『近江縣物語』  稲田篤信編 本体10,000円 ISBN4-87088-681-2
 『夢想兵衛胡蝶物語』  服部 仁編 本体15,000円 ISBN4-87088-853-X




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