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『河内 社会・文化・医療』 森田康夫著 本体2,800円 (上方文庫23)四六・上製 352頁 ISBN4-7576-0124-7 文化の発信地――河内を読み解く 本書は河内の歴史について、川との関わりから生れた地名の由来に始まり、行基信仰としての七墓参り考、河内音頭発祥の地八尾常光寺の歴史的解明など新しい知見に満ちている。とりわけ小野篁ゆかりの八尾常光寺地蔵の中世胎内墨書の解読と近世河内の医療事情についての解明は、本書によって初めて紹介されたものである。 八尾東郷で近世以来連綿と続いてきた田中家の紙背文書の整理とその解読から書かれた「地域医療の形成と医師」がそれで、河内の医療史について、近世から近代にわたって地方文書を通して述べられており、地域史の一つの可能性を示すものであろう。 このほか河内のキリシタン大名が仮聖堂を開いたときの喜びに茶の湯を催した情景や、近世村落共同体のなかでの村代表としての庄屋の生きざまなどが取り上げられている。とりわけ大塩平八郎の乱との関わりについても、著者のフィールドワークとして述べられている。 〔内容目次〕 一 河内地名考 河内の由来/口碑の重み/在地関係文書には「八尾」と書き綴られた/「八尾木」とは何か/「八百」から「八尾」へ 二 河内と行基伝説―七墓参り考― 河内七墓参り/行基伝説と河内の諸寺/道昭・行基と火葬/行基運動と女性/行基信仰の高まりと民衆仏教/今に生きる庶民信仰 三 歴史としての常光寺 常光寺のはじまり/地蔵信仰の寺として/縁起が語る又五郎大夫/城と無縁の常光寺/金地院崇伝のかかえ寺となって 四 小野篁伝説と河内国八尾地蔵 歴史における篁像/遣唐副使・篁のこと/隠岐流刑/篁伝説の背景/物語伝説の中の篁/天神信仰の先駆的型態/篁と河内国八尾常光寺/地蔵信仰と篁伝説の中世的展開 五 旧大和川デルタにおける中世城郭の歴史地理的考察―八尾城を復原する― 中世八尾の歴史地理的景観/大和川右岸の諸城について/八尾城を復元する/八尾城八尾座説 六 河内のキリシタン大名―池田丹後の茶会記より― 戦国武将の教養/『天王寺屋茶会記』のこと/キリシタン大名/池田丹後の茶事/亀井真観寺と金地院崇伝の茶会 七 近世河内村々における村役人の諸相―『村中騒動一件録』より― 村の歴史を掘りおこそう/忌避された村役人/寺内村騒動のはじまり/寺内村一統の惣連判/村の政治を私する勿れ/『村中騒動一件録』と戯作/洗心洞門人になった西村履三郎 八 近世河内の私塾―簷葡舎と葛仏蓮をめぐる人々 地域からみた教育地図/葛仏蓮のこと/仏蓮が師事した文人たち/私塾・簷葡舎の意義 九 黎明期・河内の学校教育 郷学校の伝統/欧米の養育制度をモデルに/就学率を高めるために/教育内容の近代化/嫁にやるなよ教師の嫁に 十 日本の近代化と河内平野の鉄道 わが国の産業革命と鉄道建設/河内の大動脈・大阪鉄道のこと/私設鉄道ブームと大阪鉄道の合併/私鉄から国鉄へ 十一 河内の民権運動 自由民権は河内にこだます/追いつめられた綿作農民/村々に政談演説会が/地域にねづく民権の精神 十二 地域医療の形成と医師 近世在郷町における医療/医療制度の近代的改革/堺県における医学校の設立/伝染病予防の医療/開業医制の成立 参考文献 ▼既刊関連書 『福沢諭吉と大坂』 森田康夫著 本体5,000円 ISBN4-87088-820-3 『浪華異聞・大潮餘談』 森田康夫著 本体3,000円 ISBN4-87088-762-2 『大阪の歴史と文化』 井上薫編 本体3,500円 ISBN4-87088-634-0 |
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『山部赤人・高橋虫麻呂』 神野志隆光・坂本信幸<企画・編集> 本体3,500円 (セミナー万葉の歌人と作品7)A5・上製 320頁 ISBN4-7576-0125-5 シリーズ・全巻情報へ |