新刊案内(02年4月)
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『宣長さん 伊勢人の仕事』 中根道幸著 本体3,500円 (単行本) A5・上製 583頁 ISBN4-7576-0142-5 「伊勢人の代表者」若き日の宣長さんの半生を追う 本書は、島根と三重で長らく高校教師として民主教育や国語科教育に尽くされた著者が、その長年にわたる宣長研究の成果をまとめた草稿を、遺稿刊行委員会が編集・刊行したものである。<伊勢人>の視座から生い立ちと仕事を追う、本居宣長研究の画期的な大著。とくに青春期の日常を照射しての数々の創見が提出されている。一般の人々には新しい見方を伝え、研究者には問題を提起する。絶筆となった著者のライフワークである。 〔内容目次〕第一章 出生から元服まで はじめに 時期区分 (一)商人の子(父の家系/父の遺言/父の死)/(二)商人ばなれ(母の家系/松坂の文芸/村田家)/(三)水分の申し子(申し子話/水分の神・桜・母)/(四)栄貞の事始め(寺入り/万覚・日記/志学・元服) 第二章 京へのあこがれ (一)修学旅行(第一回京都旅行/江戸での挫折/第二回京都旅行)/(二)物学びの軸『経籍』(起筆/記載時期の問題/収集の方法/『経籍』の意義)/(三)『経籍』「以下雑記」と一条兼良(あるにまかせて/兼良との共通項)/(四)『事彙覚書』(『事語先覚書』の成立/江戸での出会い)/(五)『京志』(一〜三)のころ(地図の製作)/(六)和歌に志す(『和歌の浦』)/(七)クイズ・なぞなぞ・沓冠(遊びと資質/〈クイズ〉/〈なぞなぞ〉/〈沓冠〉)/(八)系図・絵図(器用さ・集中心)/(九)養子の準備(『覚』の作成/学業飛躍のため) 第三章 山田養子のころ (一)山田養子の件(養子というもの/山田の地/今井田氏)/(二)道の学び(神道への関心/『京城志』抜抄/残口八部書)/(三)歌道専心と源氏物語(山田での作歌修業/『源氏物語覚書』)/(四)万葉集と伊勢物語(万葉集関係/伊勢物語関係)/(五)語学の芽(てにをは研究/かなづかい・字音の研究)/(六)俳諧への関心(伊勢俳諧の流れ/華丹・華風/『近代先哲著述目録』/俳人・俳書/俳諧とのかかわり)/(七)離縁、義兄の死(里帰り/義兄の死)/(八)栄貞の転進(身のおきどころ/くすしの道/留学準備の上京)/(九)いわゆる学訓(先学の見解/学訓は益軒書の抄出) 第四章 京都留学 (一)留学の経済(学費・行楽交友費/母の苦労工面/わがままむすこ)/(二)修学のアウトライン(景山・元厚・幸順/「宣長」と改名)/(三)堀景山門(師堀景山/軽俊之士/●(クサ冠の下に左に「言」右に「爰」)園の影響/景山と徂徠)/(四)契沖との出会い(和歌への関心/『不尽言』抜写)/(五)谷川士清との交流(『日本書紀通証』/古事記研究の導火線/書信往来)/(六)屈塾での生活(屈塾の学友/屈塾での学習・生活/屈塾での思想形成)/(七)自然の神道(ヒルメ信仰/「自然」の語/自然の神道/「自然」の消滅)/(八)医学生(堀元厚の人柄/処方の歌/「送藤文輿還肥序」/医学思想)/(九)知巧の人(たばこ・『おもひ草』/『手枕』/狂詩・大小・落首/三つの歌/自画像の器用さ) 第五章 『排蘆小船』のころ (一)帰郷・京都養子の件(はやらぬ医者/京都への養子話)/(二)『古今選』(初稿本・再稿本/歌の好尚偏向)/(三)『安波礼弁 紫文訳解』(紫文訳解/安波礼弁)/(四)『排蘆小船』成立と文体(その成立のころ/処女作/文体)/(五)非勧懲説・情の解放(歌の非政治性/景山の人情説/風雅と択詞)/(六)定家と契沖の継承(定家に対する崇拝/契沖に瞠目の思い/詠歌の論から/コトバ第一主義)/(七)人情論から(物のあわれ/本情・人情)/(八)偽りと自然(偽りへのこだわり/「自然」の観念)/(九)万葉観(引用書目/歌学の問題/文字は仮り物)/(十)玉葉・風雅(弁別排除の主目標/京極為兼の作品/中世十三代集中の白眉) 第六章 宣長さんの「わたくし」 (一)古体・古風の歌(『私淑言』の執筆/真淵の評/須賀直見の死を悼む歌/連作の形式/吉野の歌/『枕の山』)/(二)私―遺言(葬祭方法の指定/人心如面/「石上」の語/己が私/「漢意」のひがごと)/(三)やまとごころ・真心(やまとごころの歴史/宣長さんの場合/白国称の変遷/村田春海の批判)/(四)やまとだましい(やまとだましいの探索/やまとだましいの周辺/宣長さんの用例/『うひ山ぶみ』の検討)/(五)近・現代の大和魂(漱石の危惧/戦艦大和の最期/わが友鈴木少尉)/(六)「生」をめぐって(宣長さんの生希求/真淵の「生」認識)/(七)論争を通じて(市川鶴鳴との論争) 第七章 医者としての日常 (一)医事(医事の記録『済世録』/薬の処方/病症メモ/売薬の収益/効能書に見る病症観)/(二)門弟の死(須賀正蔵直見の死/村田中書光庸の死/中里友蔵常季の死/医事についての哀歓)/(三)お奉行(「殿」の呼称/紀州藩とのかかわり/『玉くしげ』献上/紀州藩召し抱え/医業と禄仕の位置づけ)/(四)家の産(くすしのわざ/宣長さんの死) 補注/宣長さん青少年期年譜/父の家系/母の家系/人の呼称―平宣長―/ あとがき ▼既刊関連書 宇比山踏 石原清志・大取一馬編 影印叢刊9 本体900円 現代語訳 菅笠日記 三嶋健男・宮村千素著 本体1,800円 菅笠日記 尾崎知光・木下泰典編 本体1,400円 本居宣長の歌学 高橋俊和著 研究叢書176 本体10,000円 契沖學の形成 井野口孝著 研究叢書192 本体5,000円 敷田年治研究 管 宗次著 研究叢書279 本体10,000円 |
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『関西黎明期の群像 第二』 馬場憲二・管宗次編 本体2,500円 (上方文庫25) 四六・上製 193頁 ISBN4-7576-0134-4 幕末から明治期にかけて、日本の近代化の中、様々な分野で活躍した人々がいた。時代を幕末から明治に、場は関西にすえ、その人々のなかから従来、光のあたることのなかった人物をえらび、それぞれの研究分野の研究者が豊富な資料を発掘して、その業績を明らかにしたのが本書である。 〔内容目次・解説〕 T 緒方郁蔵―ただひたすらに医学研究― 古西義麿 緒方洪庵の義弟で蘭方医の彼は、洪庵の医業を手助けした後、蘭学塾の独笑軒を開き、多くの後進を育てると共に、維新後は大阪の病院設立、医学校開校に尽力し、その教授を勤めた。 U 小西大東―近代京都を支えた文化人― 松田万智子 呉服商に生まれた小西大東は有職故実に通じ、大正・昭和の大礼時には指導的役割を果たした。また和歌にも長じ、実業新聞社長として近代京都の文化的なリーダーであった。 V 高山慶孝―堺の近代化を進めた富商の主人― 管 宗次 富豪の廻船問屋の二男に生まれて、堺の豪商高山家の養子となった慶孝は、実父の影響で国学に心を寄せ南画もよくしたが、堺県設立にあたり、第一大区の戸長となり学校運営や近代的行政をおしすすめ、現在の堺の基盤を作った。 W 西島良爾―中国語とともに生きた明治人― 柴田清継 静岡県選抜生として上海の日清貿易研究所に学んだ西島良爾は、日清戦役時に陸軍通訳となって出征したが、戦後、大阪控訴院の中国語通訳官となり、大阪在任中、大阪清語学校を起こすなどして中国語の普及に努めた。また日中両文の新聞『日華新報』の編集にあたるなどして日中親善に尽くすところが少なくなかった。 ▼既刊 関西黎明期の群像 馬場憲二・管 宗次編 上方文庫20 本体2,500円 |
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『国語語彙史の研究 二十一』 国語語彙史研究会編 本体8,500円 (定期刊行物)A5・上製函入 288頁 ISBN4-7576-0152-2 国語語彙史研究の体系化と共に、語彙史研究の新たな方法論や隣接分野との関わりにも積極的に取り組んだ論文集。 〔内容目次〕【小特集――文字・表記と語彙 「ゆへ」から「ゆゑ」に 矢野 準/意味派生による語形変化と漢字表記―「嶮岨(けんそ)」から「血相(けっそう)」へ― 田島 優/国字「●(日の下に明)(さやけし)」の周辺 乾 善彦・森田亜也子/仮名文字遣と句切れ 長谷川千秋/森鴎外「独逸三部作」の漢字について 浅野敏彦】 ナ変動詞の通時相―ナ変の四段化はなかった― 山内洋一郎/ソコヒ攷 佐野 宏/万葉「あが馬つまづく」考―「タフル」の誤読と解釈ということ― 吉田比呂子/「うつくし」の意味変化 中井彩子/ク活用形容詞語幹を後項に持つ形容動詞語幹 蜂矢真郷/鎌倉時代以前における「明白なり」の特色―古文書他の用例から― 辛島美絵/遊仙窟古点の一人称代名詞―醍醐寺本の「ワラハ」再考― 米田達郎/耳障りになったザ行音 高山知明/子供と節用集 佐藤貴裕/上方およびその近隣地域におけるオル系「ヨル」・「トル」の待遇化について 中井精一 人名・書名・項目索引/語彙索引/国語語彙史研究会の記録 |