新刊案内(02年6月)
| 『西鶴文学の地名に関する研究 第五巻 サト―シヤ』 堀章男著 本体20,000円 (研究叢書282) A5・上製 743頁 ISBN4-7576-0153-0 徳川幕府の文治政策による教育・経済・交通の発展を契機として、国民の異郷への関心が高まり、その行動半径が飛躍的に広がった近世の時代相を背景に、いわゆる三都(江戸・京都・大坂)のみならず、全国の辺境の地までをも小説の舞台とすることによって、のちに<諸国ばなし的創作>と評されることになった井原西鶴の文学において、各作品中の地名に関する研究は、近世の作家としてのかれの創作意識をさぐる有効な手段として、重要な意味をもつであろう。本書は、西鶴の浮世草子二十五作品に見られるすべての地名(地名を上・下接する複合語を含む)を抽出してこれを五十音順に配列し、各項(地名)について、該地の歴史的背景を近世の実状を、先行文学・史書・古文献・地誌・古地図等の各種資料によって実証的に解説することによって、地名索引と地名辞書の両要素を兼ね備えた、西鶴文学研究の基礎的参考文献たらしめんとしたものである。また別冊として、第一巻から第四巻の項目別一覧を付した。 ▼既刊 西鶴文学の地名に関する研究 第一巻 ア―オ 本体16,000円(ひたく書房刊) 西鶴文学の地名に関する研究 第二巻 カ―キソ 研究叢書58 本体15,000円 西鶴文学の地名に関する研究 第三巻 キタ―ク 研究叢書111 本体18,000円 西鶴文学の地名に関する研究 第四巻 ケ―サツ 研究叢書177 本体20,000円 |
| 『九州における與謝野寛と晶子』 近藤晉平著 本体1,800円 (和泉選書130) 四六・上製 口絵4頁 175頁 ISBN4-7576-0160-3 晶子研究の分野で死角になっている九州における足取り、特に北九州若松を訪問した背景および宿泊した旅館の調査解明、更には具体的行動などの調査研究の経緯などを寛と晶子の書簡を中心に明らかにしている。また、江上孝純と寛・晶子との交友地図についてもこれまで研究者の誰もが手を付けなかった部分であるが、これも書簡を中心にしながら現地調査の資料を基に推論している。そして第二期『明星』以降晩年に至るまでの寛・晶子の心境の推移について考えていく。とりわけ寛の死後晶子がどのような心境に至ろうをしたかを彼女の未発表の葉書から推察している。以上をメインに、昭和期における晶子の、女学校での講演の意図するものとは何かを、彼女の教育理念を押えながら論じている。晶子研究のデッドゾーンに光を当てた一書である。 〔内容目次〕 序文 第一章 寛・晶子における北九州若松の意味―大正六年九州旅行の場合― 一 寛・晶子の若松訪問の経緯/二 先進都市としての若松の姿/三 寛・晶子が宿泊した旅館および若松での二人の足跡/四 『明星』復刊までの経緯と若松の位置づけ/五 大分県中津での寛・晶子の足跡 第二章 第二期『明星』以降の寛・晶子の心境―書簡を中心としての考察― 一 第二期『明星』発刊から廃刊まで/二 第二期『明星』廃刊後の大分県下への旅/三 寛・晶子と江上孝純との繋がり/四 寛の死を嘆く晶子/五 寛亡きあと、晩年の晶子 第三章 昭和初期における晶子の講演の意図 一 女学校での講演日程と『女子作文新講』/二 「文化学院」創設の意図/三 晶子の啓蒙活動および講演活動の意図 付録 埼玉県久喜高等女学校での晶子の講演の全文―演題「女子と修養」― 参考文献 |
| 『管野須賀子の生涯 記者・クリスチャン・革命家』 清水卯之助著 本体2,500円 (和泉選書131) 四六・上製 口絵2頁 327頁 ISBN4-7576-0161-1 女性革命家の管野須賀子が大逆事件の首謀者として東京監獄の絞首台の露と消えて九十年、『管野須賀子全集』の編者としてよく知られた著者の徹底した「現場主義」「実証主義」の方法によって、婦人記者・クリスチャン・革命家であった須賀子の文業と生涯がはじめて明らかにされた。「残しゆく我が二十とせの玉の緒を百とせのちの君にささげむ」という辞世の一首を詠んで、三十一歳の波瀾に富んだ人生を終えた須賀子像は、従来からとかく淫婦、妖婦、魔女などの風評によって伝説化されたおもむきがあった。しかし、きびしい闘病生活のなかで精魂こめて書き下ろされた評伝には、いままで不明であった「青春」期の須賀子像が克明かつ精細に描出されている。いまここに新資料と新事実の発見と分析によって、明治社会主義の先駆者としての正当な評価と位置づけがなされることが期待される。 〔内容目次〕 清水卯之助さんと管野須賀子研究のこと 山泉 進 T 管野須賀子の青春 一 京都下級武士の血を受けて/二 結婚、離婚、そして婦人記者に/三 須賀子の精神革命/四『牟婁新報』入社と寒村との出会い/五 父母のふるさと京へ帰る/六 永遠の旅立ち U 管野須賀子とその周辺 一 管野須賀子の遺骨余聞/二 毛利柴庵の官吏侮辱罪/三 管野須賀子の来田前後/四 森長先生の宿題/五 管野須賀子の書簡二通/六 一枚のハガキ―管野須賀子の転機―/七 『女五人』を囲う/八 夢二日記と大逆事件/九 平出修と啄木/十 啄木と管野須賀子 V 管野須賀子小伝と年譜 一 管野須賀子小伝―その生涯と行動―/二 年譜 ある生涯一書生の仕事―後書きにかえて― 太田 登 ▼既刊 石川啄木 愛とロマンと革命と 清水卯之助著 和泉選書53 本体2,718円 |
| 『太宰治研究10』 山内史編 本体4,500円 (定期刊行物)A5・上製 197頁 ISBN4-7576-0165-4 太宰治が逝き、50年余の歳月が流れ去った。だが彼の作品は、今なお多くの人々に読まれ、その研究はますます盛んになっている。『太宰治全集』は、版を改め装を更えて累次刊行され、1992年には第10次、99年には第11次筑摩書房版が完結されている。『太宰治研究』は、第10次筑摩版の完結を記念して、さらなる研究の活性化を図り、新しい地平を拓いていくために、全集編纂者を責任編集者として1994年に創刊し、このたび第10輯を数えるに至った。気鋭の研究者や太宰治の友人知己などを執筆者に迎え、作品論・作家論を初めとし、それらの論の端緒となるような資料紹介や、伝記的研究の資料となるような回想記などを掲載する。 〔内容目次〕【作品論特輯】『最後の太閤』から『学生群』まで [作品論] 「最後の太閤」論 和田季絵/太宰治「虚勢」論―〈家族〉への〈開眼〉 吉岡真/「角刀」論 青木京子/「犠牲」小論―中学時代の習作における自尊心 永吉寿子/「地図」論 米田知世/「負けぎらひト敗北ト」 萬所志保/「私のシゴト」論 洞口薫子/「針医の圭樹」論 森本宏美/「瘤」論 石原みずき/「将軍」論―〈習作〉論への一視点 北川秀人/「哄笑に至る」―「思ひ出」と比較して 岩田恵子/「口紅」論 阿部則子/「モナコ小景」論 小林幹也/太宰治「怪談」小考 高橋恵利子/「名君」論 大平 剛/習作「長篇小説 無間奈落」論 寺田達也/「彼等と其のいとしき母」論―糞尿の塊としての石塊 大國眞希/「此の夫婦」論 鴇田 亨/「掌篇 鈴打」論 住吉直子/「哀蚊」とその自作引用をめぐって 権田和士/太宰治「虎徹宵話」試論―<左翼思想的傾斜>の再検討 坂元昌樹/「花火」論 松村まき/「いいか、私はこんな男なのだ」―「地主一代」の語り 高橋秀太郎/「学生群」論―その<ホモ・ソーシャリティ>性への注目を軸として 宮崎靖士/「水仙」論 長野秀樹 [資料紹介]太宰治全集未収書簡―福士四郎宛 米田省三/太宰治ビブリオグラフィー ―研究参考書一九九八 山内史/[回想記]太宰・井伏の食い違い 野平健一 ▼既刊 太宰治研究1 山内史編 本体2500円 太宰治研究2 山内史編 本体2816円 太宰治研究3 山内史編 本体3398円 太宰治研究4 山内史編 本体5000円 太宰治研究5 山内史編 本体4000円 太宰治研究6 山内史編 本体5000円 太宰治研究7 山内史編 本体5000円 太宰治研究8 山内史編 本体5000円 太宰治研究9 山内史編 本体5000円 |
| 『本文研究考証・情報・資料第五集』 伊井春樹編 本体3,500円 (定期刊行物)A5・並製 246頁 口絵2頁 ISBN4-7576-0162-x 古典文学の基本である本文について、徹底的な考証を通じて、作品の新たな読みの可能性を探り、一つ一つの表現されたことばの背景やその広がりとその意義をたどっていく。新しいメディアとして登場した電子図書館や電子出版、情報通信なども念頭におき、本文研究との関わりを積極的に提言してゆく。 〔内容目次〕研究編 真福寺本『古事記』の神人名表記の考察 橋本亜佳子/増幅する至の物語―彰考館蔵『和歌知顕集』をめぐって― 藤島 綾/文節マッチングによる古典の形態素解析―『角川源氏CD』を「教師」とした平安散文作品品詞解析システム― 谷口敏夫・大谷晋也 資料編 新出資料・平仮名古活字版『宝物集』―慶應義塾大学三田メディアセンター蔵本について― 坂巻理恵子/国冬本源氏物語5(翻刻 澪標・蓬生・関屋・絵合・松風・薄雲) 伊藤鉄也・岡嶌偉久子 ▼既刊 本文研究 考証・情報・資料 第一集 伊井春樹編 本体3500円 本文研究 考証・情報・資料 第二集 伊井春樹編 本体3500円 本文研究 考証・情報・資料 第三集 伊井春樹編 本体3500円 本文研究 考証・情報・資料 第四集 伊井春樹編 本体3500円 |