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『漱石 男の言草・女の仕草』 金 正 勲著 本体4,500円 (近代文学研究叢刊27) A5・上製・函入 240頁 ISBN4-7576-0057-7 著者はつねに願っていた。韓国に一日も早く漱石研究会が発足し、韓国で漱石についての単行本や、翻訳が活発に出版されることを。 そのように漱石の出来事は、海を越えて極めて「コスモポリタン」なものである。漱石文学に一貫して織りなされる、男女関係の微妙な綾を、漱石云う「命根」まで降り立ち、紐解く。漱石描く男女の問題は、国を越えて、時間を越えて、根源的に、現代を省察する問題である。 〔内容目次〕金正勲著『漱石 男の言草・女の仕草』に、寄す―海を渡れる、漱石という出来事― 鳥井正晴/ 序章 韓国における漱石研究の現状 一、日本文芸研究史/二、漱石研究の現状/三、インターネットにおける漱石情報探索 第一部 理想と現実の狭間で 第一章 『三四郎』考―美禰子の実像― 一、『三四郎』への一視点/二、「森の女」の画の意図/三、美禰子の本性/四、美禰子と野々宮/美禰子の実像 第二章 『それから』論―代助の愛と運命― 一、題名と『煤煙』の影響/二、職業観・社会文明観/三、恋愛観・結婚観/四、代助の告白 第三章 『門』論―宗助夫婦の罪― 一、作品成立の経緯/二、日常性の意味/三、宗助夫婦の罪/四、参禅をめぐって 第二部 新しい方法への試み 第四章 『彼岸過迄』の方法―視点と語りの構造をめぐって― 一、推理小説的構成/二、語り手の視点から聞き手の視点へ/三、反転する語り手/四、語ることの虚構性 第五章 『彼岸過迄』の女性群―千代子を中心に― 一、子供を持つこと/二、千代子の愛/三、千代子の問題/四、小間使いの作 第六章 『行人』試論―不幸な夫婦・男女の群れ― 一、諸説の検討/二、岡田夫婦・その不幸への兆候/三、一郎とお貞・佐野「新夫婦」/四、三沢と「あの女」 第七章 韓国から読む『行人』―結婚儀式と夫婦関係をめぐって― 一、結婚物語としての『行人』/二、お貞の縁談/三、異様な結婚風景/四、一郎夫婦の葛藤・お直の運命 第八章 『こゝろ』再考―「私」の語る物語― 一、「私」の存在/二、「私」と「先生」/三、現在の「私」・「當時の私」/四、『こゝろ』の方法 第九章 『こゝろ』研究―静の実相― 一、静の心としぐさ/二、「技巧」としての振舞い・「笑い」としての振舞い/三、「先生」の罪・Kの不幸/四、静の無知・夫婦の孤独/五、静と「私」 終章 漱石の描いた男女像―恐れない女・恐れる男― 一、読むことへの試み/二、恐れる男像/三、恐れない女像 初出一覧/参考文献目録/あとがき ▼既刊関連書 漱石 『夢十夜』以後 仲 秀和著 和泉選書124 本体2,500円 漱石と異文化体験 藤田榮一著 和泉選書117 本体2,500円 夏目漱石集「心」 玉井敬之・鳥井正晴・木村功編 近代文学初出復刻 本体2,500円 |
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『伊勢物語古注釈書コレクション 第三巻』 片桐洋一編 本体15,000円 (伊勢物語古注釈書コレクション3) A5・上製・函入 379頁 ISBN4-7576-0140-9 ◎編者架蔵の伊勢物語古注釈書を翻刻により公開 『伊勢物語聞書 兼如』 一冊 翻刻・解題 早川やよい 豊臣秀吉・秀次に仕えた連歌師紹巴の講釈の聞書と見られる。三条西実枝の説が中心になっているが、猪苗代兼載の『在記秘聞』など注目すべき引用が多い。 『伊勢物語嬰児抄』 二冊 翻刻・解題 磯山直子 第二冊末尾の奥書に三条西公条が紹巴に与えた奥書があるように、三条西家流の説をまとめた紹巴の説を中心に、その直門の人物がまとめた注釈。慶長の後半(1603―1610頃)の成立と見られるが、当時の『伊勢物語』講釈の実態を示す記述が多々見られる点でも注目される。 『伊勢物語聞書 諸注集成』 一冊 翻刻・解題 金 石哲 『愚見抄』『肖聞抄』『惟清抄』『闕疑抄』『九禅抄』『集註』などの現存注釈書のほか、「宗祇説」「実澄説」「師説」などを引く江戸時代初期の諸注集成。巻頭・巻尾の数丁を欠くのが惜しまれる。 ▼既刊 伊勢物語古注釈書コレクション 第一巻 片桐洋一編 本体18,000円 伊勢物語古注釈書コレクション 第二巻 片桐洋一編 本体18,000円 |
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『匂いの文化史的研究 日本と中国の文学に見る』 橋庸一郎著 本体6,500円 (単行本) A5・上製 228頁 ISBN4-7576-0139-5 日本文学は古来、四季に応じて変わる自然のこまやかな色合いの変化に極めて敏感な対応を見せてきた。しかしこと「匂い」に関しては、佛教の伝来までは、あるいはあえて言うなら佛教の伝来以降もどういうわけか日本の歌人や物語作家、文章家達の注意を引くことはほとんど無かった。わずかに一部の香材が薬用に供されただけであった。ところが色々な意味で日本文学が歴史的に模範としたに違いない中国文学の世界では、匂いは文学的価値のみならず、その薬材的価値、神仙的養生術的価値に於いても歴史文化史上大いに評価されてきたのであった。この書はその実態を明らかにすべく、試みられたものである。また香材は古来その種類が極めて多い為に相互に混同が生じている場合もまま見られる。そこでここでは特に麝香と沈香とを取り上げ、和漢双方におけるその用いられ方の相違と文学での描かれ方の違いなどを明らかにしつつ、混同の問題も解明している。 〔内容目次〕 はしがき 第一章 古代日本における匂い 日本と中国における匂い認識の違い/『記』『紀』の古代歌謡と匂い/『風土記』と匂い/日本民族と匂い 第二章 『万葉集』の匂いと『懷風藻』の匂い 日本の静文化と中国の動文化の匂い/『万葉集』の匂い/『懷風藻』の匂い/『懷風藻』の匂いの実態/日本人の匂いに対する感覚の変遷 第三章 日本の上代文献に見える麝香について 倭国の献上物と晋の贈物/麝香と倭国/『万葉集』に見える麝/鑑真の将来した麝香/日本麝香史の概括 第四章 古代中国の匂い 殷代の匂い/周代の匂い/楚の匂い/漢・三国期の香/六朝時代の香/唐宋の香 第五章 中国古代文献に見える麝香 麝字について/獣麝について/六朝以前の麝についての記述/霊薬としての麝香/麝香と六朝・唐の文学/臨床薬としての麝香/現代中医と麝香 第六章 中国古代文献に見える沈香 漢代文献に見える沈香/沈香の薬効/沈香の匂いとその材/香としての沈香/沈香の木について/沈香の異種について/沈香の木と他の香木との混同/沈香と檀香の混同/引用・参考文献一覧/ 終わりに/ 索引(香名・書名・人名) |
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『高見順研究』 梅本宣之著 本体3,500円 (和泉選書129) 四六・上製 232頁 ISBN4-7576-0151-4 本書では従来必ずしも正当に検証、評価されてきたとは言えない高見順の文学の特質とそれらが成立した時代について様々な角度から考察する。そのために、まず高見の主要な作品の中から重要と思われる「故旧忘れ得べき」「如何なる星の下に」「仮面」「いやな感じ」について、主に作品内部の論理に沿って検討する。 次に、近代と反近代の狭間にあって、自身の中にも矛盾を感じながら、彷徨を重ねた高見の道程を、時代との関わりに目を配りつつ明らかにする。まず近代思想との関わりを探るために、マルキシズムやアナーキズム、あるいは白樺派的ヒューマニズム等からの影響について、さらに反近代を志向した先人である成島柳北や永井荷風からの影響について、考察を進める。また、高見と生命思想との関わりについては、高見自身の生命体験、大杉栄や武者小路実篤、岩野泡鳴、伊藤整らの生命思想の受容の具体相を解明し、高見順文学に底流する生命観の特質を明らかにする。 〔内容目次〕T 高見順作品の世界 「故旧忘れ得べき」 ―自己喪失の文学―/「如何なる星の下に」―自己再生の文学―/「仮面」の成立/「いやな感じ」私注 U 高見順文学の基底 高見順における〈反近代〉/高見順における南方行の意味/高見順の生命観 ―戦中から戦後へ―/高見順と大正生命主義/高見順の道程 ―彷徨する自我―/ 初出一覧/あとがき |
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『講談資料集成 第二巻』 菊池真一編 本体10,000円 (定期刊行物) A5・上製・函入 332頁 ISBN4-7576-0150-6 講談黄金期の講談師たちの逸話・回想を集大成。関連記事・興行記録も可能な限り収録。新聞・雑誌・単行本などから、幅広く資料収集。 江戸時代、軍記読みから発展した講釈・講談は、幕末・明治には最盛期を迎える。しかし、明治末期からは、浪花節の台頭、活動写真の流行などによって勢力衰え、平成には講談専門の定席が消滅するに至った。黄金期の講談師たちの生き方や演じ方を振り返り、纏めておくことは、歴史的記録としてのみならず、今後の講談のあり方の参考資料ともなるであろう。 本集成は、このような観点から、明治・大正に活躍した講談師たちの回想記・活動記録を纏めようとするものである。新聞・雑誌・単行本から、講談師の生態を窺うに足る資料を集成する。 第二巻の内容 『「私」の思ひ出話』(悟道軒円玉) 『私の思ひ出話』は、昭和4年2月〜5月に「国民新聞」に連載された。師である松林伯円との関りや、伯円講談の誕生秘話など、興味深い話題に満ちている。 『猫遊軒茶話』(松林伯知) 『猫遊軒茶話』は、昭和4年5月〜11月に「都新聞」に連載された。伯知半生の回顧録であるが、明治期の講談界の状況や寄席風俗が窺える。 『痴遊雑誌』所載講談関連記事 『痴遊雑誌』は昭和10年、話術倶楽部会長・伊藤痴遊によって創刊され、昭和13年、その死と共に廃刊に至った。この中から、伊藤痴遊・石谷華堤・今村次郎・野村無名庵などによる講談関連記事を抜粋した。 第一巻の内容(平成13年刊 A5・上製函入 347頁 本体10,000円 ISBN4-7576-0104-2) 『講釈師物語』(風流坊) 『講釈師物語』は、明治29年5月から7月にかけ47回にわたって「読売新聞」に連載されたもの。翌明治30年には『講談相撲贔負くらべ』として単行本となった。 『講談界昔話』(四代目宝井馬琴) 『講談界昔話』は、四代目宝井馬琴の口述を野村無名庵が筆録したもの。昭和3年1月から10月にかけ、239回にわたって「都新聞」に連載された。馬琴はこの連載終了後間もなく、昭和3年暮れに没している。 『本朝話人伝』(野村無名庵) 『本朝話人伝』は野村無名庵の著。昭和19年に刊行された。関根黙庵『講談落語今昔譚』を骨格とし、前出馬琴の『講談界昔話』によって肉づけしたものとも言える。無名庵は翌昭和20年、戦災で亡くなっている。 今後掲載予定の書目 『芸人百面相』(「やまと新聞」)『釈師仲間の寄生虫』(「やまと新聞」)『東玉のこと』(「やまと新聞」)『桃川実の逸話』(「やまと新聞」)「芸界佳話」(「やまと新聞」)『芸人クラブ』(「二六新報」)『釈師奇人伝』(「二六新報」)『講談通』(「二六新報」)『松林伯知の物語』(「時事新報」)『芸人銘々伝』(「毎日電報」)『諸芸一流今の名人小金井蘆洲』(「読売新聞」)『芸人談叢邑井一』(「毎日新聞」)『寄席の楽屋』(「都新聞」)『軍談師の起源』(「講談雑誌」)『講談界の過去と将来』(「新小説」) ……その他、新聞・雑誌掲載の講談関連記事多数収録予定。 |