新刊案内(04年2月)


 『無名草子−注釈と資料−
 『無名草子』輪読会編 定価1,995円(本体1,900円)

   A5・並製 230頁 ISBN4-7576-0247-2

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輪読会の成果を基に編集した、これまでにない高質の『無名草子』注釈書である。教科書はもちろん、本格的な研究用にも耐えうる充実したテキストとして、ここに公刊する。
 本書は五部より構成される。

@「無名草子 本文と注釈」は、底本として採用した天理大学附属天理図書館蔵『無名物語』を尊重した本文を掲げ、ことばの引用・類似関係や特異な語句などに関する脚注を特に充実させた。
A「物語評論 本文と注釈」は関連する平安〜鎌倉期の物語評論二二編を集成し、本文に解題・注釈を付した。
B「無名草子解説」は、『無名草子』の成立・作者・内容・文学史的位置づけについての要を得た批判的概説であると同時に一編の論文たりうる。
C「無名草子事典」は『無名草子』に登場する書名(現存散文、散逸散文、歌集・歌合)や人名(実在)の解説として、@の脚注と相補い合う。なお、@ACは相互に参照できるよう工夫してある。
そして、D「無名草子 研究文献目録」は関係文献を網羅しており、研究史の把握にも有益であろう。   
   
 
 
  
  


 『日本語の「配慮表現」に関する研究―中国語との比較研究における諸問題―
 彭 飛著 定価13,650円(本体13,000円)

   A5・上製 623頁 ISBN4-7576-0246-4

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   日本語の「配慮表現」は外国人にとって「敬語表現」よりも難しい。日本人の繊細な心遣いのこもった「配慮表現」は「気遣いの美」でありながら、反面、国際舞台での文化摩擦・経済摩擦を発生させる原因となることも少なくない。中国語を母語として育った著者は、「配慮表現」を現代日本語の重要な特色の一つとする立場から、各種の調査に基づき、さまざまな様相や特徴的形式を整理・記述して、体系化を試みる研究を行ってきた。本書は「これからの日本語」「国際化時代の日本語」を考えるうえでも重要な示唆を与えてくれる好著である。

〔内容目次〕
第1部 序論 日本語の「配慮表現」(気配り表現)研究の枠組みについて 
第1章 「配慮表現」(気配り表現)の定義とその研究領域/第2章 「配慮表現」(気配り表現)研究と「モダリティ」研究との関係/第3章 「配慮表現」(気配り表現)と「敬語表現」「待遇表現」との関係/〈延長戦論考〉「敬意表現」「配慮表現」/第4章 「ポライトネス論」と「配慮表現」/第5章 本研究の方法及び目的と意義 
第2部 「配慮表現」(気配り表現)における「緩和表現」について
 第1章 「配慮表現」(気配り表現)における「緩和表現」の三技法―「緩和表現」種々相(具体例)調査―/〈延長戦論考〉場面に応じて用いる「緩和表現」の種々相(具体例調査)/第2章 「チョット」の使用と「配慮表現」(気配り表現)における「和らげ」と「暗示的な強調」/第3章 新聞用語、放送用語(表現)の言い換えからみた「配慮表現」における「緩和」/第4章 日本語の「裏」の語義と用法からみる「和らげ」/第5章 日本語の自他動詞文の選択使用と「配慮」の心理/第6章 非意図的行為を示すマイナスの意味の他動詞文の特徴―有生名詞(有情物)を主格とする他動詞文をめぐって―/第7章 日本語の他動詞文における他動性喪失の諸問題/第8章 日本語の「ヲ≠伴う他動詞文」と中国語の「把≠伴う動詞文」との相違点/〈延長線論考〉中国語の把動句≠フ類型からみた把動句≠フ特徴― 把動句≠フ諸問題をめぐって― 
第3部 「配慮表現」(気配り表現)における「受益表現」について 
第1章 「配慮表現」(気配り表現)における「受益表現」の具体例をめぐって/第2章 中国語からみた日本語の「ヤリモライ動詞文」に関する若干の問題―「〜テクレル」文を中心に― 
第4部 「配慮表現」(気配り表現)における「プラス価値付加表現」について
 第1章 「プラス価値付加表現」の具体例をめぐって/〈延長線論考〉戦後の社名変更の最盛期からみた「イメージ刷新」「イメージチェンジ」―「社名変更」と「プラス価値付加」「緩和」をめぐって―/第2章 プラスイメージが呼び起こされる「呉服」の語義/第3章 カタカナ語(外来語)の使用からみた「プラス価値付加」と「緩和」―『日中辞書』編纂の諸問題をめぐって― 
第5部 「配慮表現」(気配り表現)における「心地よい気分表現」(気分をよくさせる表現)について
 第1章 「心地よい気分表現」(気分をよくさせる表現)の具体例をめぐって/第2章 大阪の地域語に関する調査報告―「配慮表現」における「心地よい気分表現」(気分をよくさせる表現)と「緩和表現」―/第3章 中国語からみた日本語の「役職名」「肩書」と「配慮」―『日中辞書』編纂の諸問題をめぐって―/〈延長線論考〉「結婚する」に関する間接的な表現―日本と中国を含む五十ヶ国を対象とする調査― 
第6部 終論 中国語と日本語の「配慮表現」に関する諸問題について 
第1章 中国語と日本語の「配慮表現」(気配り表現)の相違に関する調査報告/〈延長線論考〉日本語の「配慮表現」に関する調査報告―在日外国人(一〇〇人)、日本人(一〇〇人)を対象とするアンケート調査―/第2章 日本語の「気」「気配り」「配」「配慮」の語義/結語/索引/あとがき  




 『六条藤家清輔の研究』
 芦田耕一著 定価10,500円(本体10,000円)

  (研究叢書308) A5・上製 391頁 ISBN4-7576-0244-8

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   平安時代末期の藤原清輔は祖父顕季、父顕輔と続く歌の家柄である六条藤家の出自である。清輔は『奥義抄』『袋草紙』『和歌初学抄』などを著わす歌学者であり、また『近代秀歌』で近き世の歌人の一人として挙げられる歌人でもある。第一章においては、顕季、顕輔の事績からはじまり、『袋草紙』における著述意図、これに関わる末代意識、『清輔集』をも含めての縁戚関係にある人の記述などを中心にとり上げ、六条藤家としての清輔を考えてみた。第二章では、今まで等閑に付されてきた歌人としての清輔を問題にする。まず『清輔集』の成立を論じ、主にそれに見られる清輔の詠歌の特徴を色々な角度から検討している。古語尊重という時代風潮のもとでの『万葉集』歌の摂取、清輔本『古今集』との関わり、父祖詠の受容、難義語や歌枕の詠み方などを明らめることによって、革新的な面もあるが、基本的には守旧的歌人ではないかと結論付けておいた。

〔内容目次〕
第一章 六条藤家および六条藤家としての藤原清輔 
藤原顕季の婿―歌道家成立の基盤という視点で―/藤原顕輔の最晩年の詠歌一首―息男清輔との関わりも含めて―/『清輔集』にみられる三条家―「ながらへば…」詠の詠作年代に及ぶ―/『袋草紙』にみられる大中臣家/『袋草紙』上巻の著述意図/『袋草紙』における「末代」―著述意図と関連させて―/『袋草紙』にみられる貫之、能宣の求子歌―六条藤家の事績と関わらせて―/『続詞花集』撰集のための『袋草紙』/清輔の「公通家十首会」への参加をめぐって/〈附〉『袋草紙』における熟語の倒置使用 
第二章 藤原清輔の詠歌
 『清輔集』の成立について―その根幹部分の想定―/『清輔集』における結題―その成立と関わって―/清輔の『万葉集』歌の受容/清輔の詠歌と清輔本『古今集』/清輔の詠歌における父祖詠の受容/清輔の詠歌と難義語/清輔の「歌枕」詠歌/清輔の反伝統的詠歌/清輔の述懐歌―出家と関わって 
附章 源俊頼の歌論―歌合での虚構詠と歌枕詠における判詞をめぐって― 
初出一覧/あとがき





 『新訂 吉記 本文編 二
 高橋秀樹編 定価9,450円(本体9,000円)

  (日本史史料叢刊4) A5・上製 397頁 ISBN4-7576-0249-9 

 藤原経房の日記『吉記』は平安末期から鎌倉初期の重要な日記史料として、日本中世史のみならず、中世文学・日本美術史の分野でも多くの研究に利用されてきた。これは矢野太郎氏による翻刻が史料大成の一部として戦前より刊行されていたことが大きい。しかし、史料大成本は底本選定が十全でなく、『吉部秘訓抄』『公事問答記』の書名でまとまって伝来する公事抄出や各種部類記所引の逸文を収録していないことから、現在の学問水準に堪えうるテキストの刊行が望まれていた。そこで本書は、鎌倉前期古写本を初めて紹介するなど、底本を新たにし、これまで活字化されてない公事抄出や逸文を含めた本文を編年体で収録した。また、校訂注や説明注を施し、欄外に主要事項を標記して利用者の便宜を図った。本文編三冊、索引・解題編一冊の全四冊の刊行を予定し、本冊には治承四年(一一八〇)〜寿永元年(一一八二)までの記事を収めた。

〔内容目次〕
例言/治承四年 二月四月記目録 二月 三月 四月 五月 十一月/養和元年 三月記目録 三月 夏記目録 四月 五月 六月 八月九月十一月記目録 八月 九月 十一月/寿永元年 正月記目録 正月 二月三月記目録 二月 三月 六月記目録 六月 秋記目録 七月 八月 九月口絵図版一、吉御記(新写本)治承四年二月四月記/一、吉御記(新写本)養和元年八月九月十一月同二年正月記/一、吉御記(新写本)寿永元年二月三月六月記/一、即位条々部類(新写本)




 『標音 おもろさうし注釈(二)(三)』
 清水彰著 定価42,000円(本体40,000円)

  (研究叢書309) A5・上製 総1418頁(二分冊・分売不可) ISBN4-7576-0248-0 

  



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