新刊案内(04年11月)
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明治・大正期に活躍した講談師たちの記録 『講談資料集成 第三巻』(全三巻完結) 菊池真一編 定価12,600円(本体12,000円) A5・上製 343頁 ISBN4-7576-0289-8 江戸時代、軍記読みから発展した講釈・講談は、幕末・明治には最盛期を迎える。しかし、明治末期からは、浪花節の台頭、活動写真の流行などによって勢力衰え、平成には講談専門の定席が消滅するに至った。黄金期の講談師たちの生き方や演じ方を振り返り、纏めておくことは、歴史的記録としてのみならず、今後の講談のあり方の参考資料ともなるであろう。本集成は、このような観点から、明治・大正に活躍した講談師たちの回想記・活動記録を纏めようとするものである。新聞・雑誌・単行本から、講談師の生態を窺うに足る資料を集成する。 〔掲載書目・内容〕 『軍書講釈并神道心学辻談議之事歴』(『只誠埃録』弐百六)は関根只誠の著で講談研究の基本書。今までは部分的な翻刻紹介に止まっていた。該書の全文翻刻は本書が初めてである。 また、明治から昭和まで続いた代表的文芸雑誌『文芸倶楽部』(博文館)『新小説』(春陽堂)の両誌から、講談関連記事を抜粋した。 更に、明治から昭和にかけての総合演劇雑誌『演芸画報』からも講談関連記事を拾った。 |
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『中世説話集とその基盤』 小林直樹著 定価9,450円(本体9,000円) (研究叢書319)A5・上製 359頁 ISBN4-7576-0277-4 中世説話集の作品世界とそれを生み出した基盤の世界との双方を見据え、その相互交渉のありようを探ることで、個々の作品に特有の発想や構想の拠って来たるところを論究する。『沙石集』や『三国伝記』を初めとする諸作品を法華経談義や聖徳太子をめぐる中世の言説の中に位置づけて考察。 〔内容目次〕 第一部 『沙石集』と法談 第一章 『沙石集』と『摩訶止観』注釈書 第二章 『沙石集』構想の原点―真如の顕現― 第三章 『沙石集』における法談の成立 第四章 『沙石集』における法談の基調 第五章 『沙石集』地蔵説話考―裏書記事の検討から― 第六章 『沙石集』と聖徳太子 第二部 『三国伝記』とその背景 第一章 『三国伝記』の成立基盤―法華直談の世界との交渉― 第二章 『三国伝記』の方法―別伝接続と説話連関をめぐって― 第三章 『三国伝記』の世界―権者へのまなざし― 第四章 『三国伝記』と中世太子伝 第五章 『三国伝記』と太子・観音 第六章 『三国伝記』と『長谷寺験記』―観音と神々の提携― 第三部 説話集とその周辺 第一章 『百座法談聞書抄』の説話 第二章 法華経をめぐる説話と『注好選』 第三章 本誓への注視―『今昔物語集』の志向― 第四章 『諸国一見聖物語』における説話と風景 あとがき |
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『井関隆子の研究』 深沢秋男著 定価10,500円(本体10,000円) (研究叢書320)A5・上製 口絵10頁・451頁 ISBN4-7576-0278-2 井関隆子(いせき・たかこ)と言っても、現在、それほど知られている人物ではない。今から30年ほど前、幕末の旗本女性の日記にめぐり合った著者は、この日記の内容に強く惹かれ、その魅力を明らかにしようと取り組んできた。 『井関隆子日記』(全12冊)に注を付けて世に送り出し、それと並行して作者の伝記調査を続けてきたが、その後、同じ作者の創作3点が発見されたり、『井関隆子日記』が大学入試センター試験に出題されるなど、少しずつではあるが、世間に知られるようになってきた。 本書は、全く無名であった幕末の一人の女性を発掘し、その伝記を作成し、著作の内実を究明して、時代の観察者・批評者として、日本歴史・日本文学史の中に定着しようと試みたものである。また、『井関隆子日記』を近世の日記文学として取り上げ、文学史的には、平安朝的な日記文学に比肩し得る、近世特有の日記文学として位置づける。 〔内容目次〕 研究篇 第一章 井関隆子の生涯 第一節 前半生・四谷時代―出生から婚姻まで― 第二節 後半生・飯田町時代―結婚から他界まで― 第三節 井関隆子とその時代(井関隆子関連年表)付、庄田家・井関家系図 第二章 井関隆子の文学T『井関隆子日記』 第一節 書誌 第二節 内容 第三節 著作の動機 第四節 批判的精神 第五節 創作的要素 第六節 歴史的記述 第七節 風俗描写 第八節 自然描写 第九節 和歌 第十節 日記文学としての価値 第三章 井関隆子の文学U その他の作品 第一節 『さくら雄が物かたり』 第二節 『神代のいましめ 第三節 『いなみ野』 第四節 『井関隆子長短歌』・『秋野の花』所収歌・蔵田茂樹著『野山の夢』跋 第五節 書写本 第四章 井関隆子の人間像 資料篇 一、井関隆子伝記関係資料/ 二、井関隆子関係研究文献目録 三、その他 あとがき 索引(人名・地名・書名・主要事項) |
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『蕪村俳諧の研究−江戸俳壇からの出発の意味−』 清登典子著 定価9,975円(本体9,500円) (研究叢書321)A5・上製 299頁 ISBN4-7576-0281-2 蕪村俳諧はいったいどのような俳壇状況や交流関係の中で生み出されてきたのだろうか。そして同時代の俳諧作品と比較した時、どのような特色を持っていると言えるのだろうか。さらに俳諧表現史の流れの中で眺めた時にはどのような位置を占めているといえるのだろうか。 本書は、このような課題について具体的に考察・究明したものである。とくに本書では、蕪村の俳諧活動が江戸の地で始められたことに注目し、従来明らかにされてこなかった蕪村と江戸俳壇との具体的な交流の様相とその変化とを押さえることで、蕪村の俳壇上の立場を明らかにする。また、蕪村俳諧の特色として、江戸俳諧から継承した「趣向性の重視」のあったことに注目し、従来は叙景句としてのみ解釈されてきている発句作品に対して、趣向に注目することで見えてくる新しい読みを呈示。さらに「季重なり」などの趣向性の強い季語の用法にも注目し分析した。 〔内容目次〕 第T部 蕪村と江戸俳壇 第一章 関東在住時代の蕪村と江戸俳壇 第二章 京移住後の蕪村と江戸俳壇 第三章 江戸俳壇における存義および存義側の位置 第U部 蕪村俳諧と江戸俳諧 第四章 蕪村編『(宇都宮歳旦帖)』と江戸春帖 第五章 月並句会における出題法と作句法 第六章 中興期江戸座春帖の様相 第V部 蕪村俳諧の表現と方法 第七章 江戸中期俳諧の課題と蕪村俳諧 第八章 蕪村発句と趣向 第一節「山の端や海を離るゝ月も今」 第二節「からざけに腰する市の翁哉」 第三節「うめちるや螺鈿こぼるゝ卓の上」 第四節「桜なきもろこしかけてけふの月」 第九章 季重なり表現とその表現効果 第一節 蕪村の季重なり表現 第二節 蕪村の季重なり表現の位置 第十章 蕪村の「寒し」の句 結語 索引 英文要旨 あとがき |
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『近松正本考』 山根爲雄著 定価13,650円(本体13,000円) (研究叢書322)A5・上製 473頁 ISBN4-7576-0286-3 第一部では加賀掾と義太夫との詞章・曲節の比較検討を行い、両者の特色を抽出することにより、作品によっては浄瑠璃史上の先後に関する定説を逆転させる。さらに貞享期の義太夫の曲節の特色や法則性が後代に迄及んでいることを実証。 第二部では近松の全浄瑠璃から主要曲節の記譜されている箇所の詞章を精査した結果、詞章内容と密接な関連を有する曲節のほか、絵入本の画証などをも援用して、からくり、舞台転換等舞台演出に関わる曲節など、それぞれの内容を明らかにする。 第三部では世話物全正本の対校を行い、詞章・曲節の校異を略述。曲節の異同に対する可否や、校合によっても正せない誤謬の指摘は本書が最初である。山本版一本に頼ることの危険性や、校合の必要性を明確に示す。 第四部では世話物の中から既に定説化している語句の意味や読みのうち、疑問の残る役三〇例を取り上げ、別の視点や資料・用例を駆使して、新見解を述べる。 〔内容目次〕 第一部 宇治加賀掾と竹本義太夫 第一 筑後掾と加賀掾の特色 1章句の訂正 2文章の省略 3曲節の種類 第二 『薩摩守忠度』等の諸問題 1諸本および上演の時期 2表現の妥当性 3場面・構成の相違 4文章の特色 5曲節の特色 第三 貞享の義太夫の記譜法 1「色」について 2「地」・「地色」・「詞」の領域 3音高の領域 4「フシ」・「詞」の後の文字譜 第二部 近松の詞章と曲節 第一 「色」の用法 1「色」の付く語句の特色 2「色」の後の曲節 第二 「詞」の用法 第三 「スエテ」の用法 1「スエテ」の特色 2全作品中の頻出語句 第四 「ヲクリ」の用法 1「ヲクリ」の特色 2全作品中の頻出語句 第五 「フシ」の用法 1「フシ」の特色 2全作品中の頻出語句 3「スエテ」・「ヲクリ」と「フシ」 第六 「三重」の用法 1舞台転換の用法 2見せ場の用法 3全作品中の頻出語句 第七 同文と異曲節 第三部 世話物正本の校異 生玉心中 今宮の心中 卯月の潤色 卯月紅葉 女殺油地獄 五十年忌歌念仏 薩摩歌 心中重井筒 心中天の網島 心中二枚絵草紙 心中万年草 心中刃は氷の朔日 心中霄庚申 曾根崎心中 大経師昔暦 丹波与作待夜のこむろぶし 長町女腹切 博多小女郎波枕 堀川波鼓 冥途の飛脚 山ア与次兵衛寿の門松 鑓の権三重帷子 夕霧阿波鳴渡 淀鯉出世滝徳 第四部 語句雑考 梅田堤(曾根崎心中) おんころおんころ(女殺油地獄) 語り。続けて聞及ぶ(大経師昔暦)(付 年忌浄瑠璃) からのかしら(堀川波鼓) きつ(心中宵庚申) 枢の穴(女殺油地獄) 傾城に誠なし(冥途の飛脚)(付 拳遊び) 声を立てねば(大経師昔暦) 堺町(堀川波鼓) 酒塩変じてあけの血潮(女殺油地獄) しくしく泣てゐたりしが(心中天の網島) 舌三寸(堀川波鼓) 棕櫚の一木の相生(曾根崎心中) すし(曾根崎心中) すりこ木を参る(今宮の心中) 千手の御手(女殺油地獄) さう(曾根崎心中) 立て(堀川波鼓) ちゝし(冥途の飛脚) 月よ星よ(堀川波鼓) に。し。か(心中天の網島) 年ンとてもまあ二年(冥途の飛脚) 枚包(大経師昔暦) 不義は仲立同罪(堀川波鼓) フレ(博多小女郎波枕)(ルビ位置の感動詞) 待て(心中天の網島) 水飲み(女殺油地獄) 見ぬ顔(女殺油地獄) ヤ。ヤ。(心中天の網島)(付 句切点) やす大事(堀川波鼓) 闇のうつゝぞ美しや(堀川波鼓) 鑓侍(夕霧阿波鳴渡) わる口仲間(曾根崎心中) 現代人名索引 あとがき |
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