新刊案内(04年9月)


 『懐徳堂知識人の学問と生 ―生きることと知ること―
 懐徳堂記念会編 定価2,625円(本体2,500円)

   (懐徳堂ライブラリー6)A5・上製 176頁 ISBN4-7576-0263-4

近世大坂は単なる商業都市ではない。人と物とが行き交う街は、知識と情報が交差する街でもあった。経済の街、大坂。情報の街、大坂。そこに花ひらいた鮮烈な批判精神。大坂はゆたかな文化創造の舞台でもあった。富永仲基や山片蟠桃は孤高の存在ではない。懐徳堂という巨大な山脈のなかの一山である。近世大坂がもっていた広大なすそ野を見落としてはならない。過去は未来の鑑である。未来の大坂のあるべき姿がここにある。私たちの未来がここにある。懐徳堂春秋記念講座での同テーマの講演にもとづく論集。

〔内容目次〕
懐徳堂知識人の学問と生 子安宣邦/反徂徠としての懐徳堂知識人 中村春作/中井履軒の天文学とその背景 久米裕子/梅岩心学と懐徳堂知識人 辻本雅史/市井の君子富永仲基 宮川康子




 『森鴎外研究10』(全10巻完結 セット定価33509円) 
 谷沢永一・山ア國紀編 定価5,250円(本体5,000円)

   A5・上製 286頁 ISBN4-7576-0276-6

「気鋭の執筆陣による深く多彩な森鴎外論」
〔内容目次〕鼎談『舞姫』を中心に 渡部昇一・谷沢永一・山ア國紀/特集〈『舞姫』をどう考える〉『舞姫』の〈近しさ〉―斎藤美奈子・田中実の批判をてがかりに― 細谷博/「舞姫」―隠蔽された政治小説― 林原純生/太田豊太郎の肖像―『舞姫』への一視覚― 酒井敏/「舞姫」の試み―〈捉え難き内部〉へ― 大石直記/『舞姫』はジュール・ヴェルヌの夢を見るか?―鴎外文学の〈失われた環〉― 井上優/「舞姫」と「新浦島」―異界との往還― 真鍋正宏/重霧の間≠ノあるもの―『舞姫』の構造― 安藤宏/「舞姫」を読む―回想の内実を視座として― 木村一信/「対他的「憎むこゝろ」」は生じ得ない―小森氏の『舞姫』論を考える― 山ア國紀/方眼圖/日露戦後文学としての『うた日記』 平岡敏夫/「即興詩人」その後 森まゆみ/鴎外再婚失敗感の深刻さ 吉野俊彦/知りたい鴎外の謎 渡邉澄子/鴎外の和歌、一九〇九年 笠原伸夫/北條霞亭の古里を訪ねる 山崎國紀/芥川龍之介の鴎外観 関口安義/鴎外におけるルソーの『民約論』 清田文武/森鴎外の武家像 村岡功/鴎外と三男坊・森類―『沈黙の塔』と『裁量権』― 金子幸代/ゲザの行方―鴎外訳『埋木』のもたらしたもの― 中島国彦/三島由紀夫にとっての森鴎外 松本徹



 『中世隠遁歌人の文学研究 ―和歌と随筆の世界―
 三村晃功著 定価11,550円(本体11,000円)

   (研究叢書317)A5・上製 479頁 ISBN4-7576-0274-X

本書は中世隠遁歌人の文学的営為を、和歌と随筆の二領域に分け、二つの視点から具体的に論述した「和歌の世界」と「随筆の世界」の文学論考の二章に、和歌の一首一首を読解・鑑賞した「秀歌鑑賞」の一章を加えて、多彩をきわめる中世文学の特質を究明しようと試みた中世文学研究の書物である。「和歌の世界」では、和歌の領域を、解釈・鑑賞、詠作活動、撰集の成立と注釈、挿絵、歌枕、漢詩・釈教歌、歌論、和歌懐紙などの諸視点から論述する一方、「随筆の世界」では、鴨長明の『方丈記』について自然の視点から、卜部兼好の『徒然草』について無常、女性、表現、成立過程などの視点から多角的に論述して、中世文学の本質の解明にアプローチを試みた。「秀歌鑑賞」では、鎌倉中期から南北朝期・室町期までの主要な歌人の代表歌を選定して、読解・鑑賞を試み、「和歌の世界」と「随筆の世界」の論考の補完的役割を担わせるよう企図して、巻末を飾ることにした。

〔内容目次〕
第一章 和歌の世界 第一節 西行の和歌 第二節 二条為道の和歌 第三節 花園院の和歌(『玉葉和歌集』/『風雅和歌集』の恋歌) 第四節 叡山法印長舜の和歌 第五節 私撰集の和歌(私家集名を冠する私撰集/『六華和歌集』/『六花集注』の性格と価値) 第六節 伝宗祗編『絵入和歌集』の和歌 第七節「小倉山」考 第八節 寺院・神社関係の和歌(四天王寺九品往生詩歌/日吉山王和歌) 第九節『耕運口伝』 第十節 永正八年月次和歌御会 第二章 随筆の世界 第一節 鴨長明と自然 第二節 卜部兼好(無常の自覚/『徒然草』の女性像/『徒然草』の朧化表現/『徒然草』第十一段成立考) 第三章 秀歌鑑賞 第一節 氷よりたつ明けがたの空 第二節 鴨長明の和歌 第三節 二条派歌人の和歌 第四節 南北朝期・室町期歌人の和歌 終章 結語 和歌索引 あとがき



 『青雲の志 龍馬回想』
 森田恭二著 定価1,050円(本体1000円)

   (IZUMI BOOKS)四六・並製 98頁 ISBN4-7576-0272-3  

幕末の争乱の中に活躍した坂本龍馬を知らない人はない。青年龍馬が、青雲の志をいだいて、土佐から江戸に旅立ったのが嘉永六年(一八五三)のことであった。その頃、土佐藩の学者に、河田小龍という人物がいた。世に余り知られていないが、アメリカに渡った漂流民ジョン・万次郎を取り調べて、『漂巽紀略(ひょうそんきりゃく)』という書物を著した人物である。筆者はこの河田小龍の子孫に当たる。その小龍の『漂巽紀略』原本に触れ、坂本龍馬と小龍の浅からぬ関係を見出したことが、本書の執筆の動機となっている。二人の足跡を追って、高知をはじめ、長崎・下関・京都などを訪ね、文献史料を駆使して、幕末争乱の中に生きた人物を回想する。

〔内容目次〕
序 一、龍馬青春時代 少年龍馬/姉乙女/江戸修行/ジョン万次郎/河田小龍 二、疾風怒濤の中へ 土佐勤王党/龍馬脱藩/尊王攘夷と龍馬 三、薩長同盟成立 池田屋事件/亀山社中/薩長同盟/寺田屋事件/お龍/海援隊成立/いろは丸事件/イカルス号事件 四、大政奉還建白の成功 船中八策/大政奉還 五、龍馬の死
龍馬暗殺/龍馬回想



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