新刊案内(05年3月)
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中国音楽史の最盛期
唐代音楽の綜合的研究 『唐代音楽の歴史的研究』 覆刻◎楽制篇 上巻(一九六一年 日本学士院賞受賞)・下巻 岸辺成雄 著 2冊セット定価23,100円(22,000円) A5上製函入・上巻=口絵モノクロ4頁・本文519頁 下巻=口絵カラー2頁・本文614頁I4-7576-0291-X ――音楽史学の不滅の金字塔!―― 西はシルクロードを経由して「遠くイラン、インドの流を汲み、東は日本、朝鮮等に統を伝え、アジアにまたがる国際的音楽文化の中軸」(「楽制篇」自序)となった中国唐代の音楽は、東洋音楽史研究の第一人者岸辺成雄博士の生涯を貫く壮大な研究の主題であった。一九六〇・六一年、楽制篇上下二冊、東京大学出版会より刊行、日本学士院賞受賞。楽理篇以下の諸篇に属する論考十八は一九三六年から六八年までの間に『史学雑誌』ほかに発表されている。しかし今日では刊本・論考ともに容易に接し得ない状況である。今般、はじめてその全容を上下巻二冊と続巻一冊に収め、全三冊として公刊する。 ・上下巻二冊「楽制篇」(覆刻) ・続巻一冊「楽理・楽書・楽器・楽人篇」未発表一を含む十九論考(新刊) 近年、学界の注目は唐代の中国を中心とする東アジア世界の形成に注がれている。この時期、文化・文物の中華への集中と周辺への拡散が活溌に行われたが、そのなかにおける音楽の重要性について、改めて注目し、検討する必要を痛感する。 本研究はこれに応える先駆ともいうべき業績であると同時に、今日においても研究の基盤となり得る唯一の研究であり、この度その全容がはじめて公刊される意義を極めて大きいものがある。 【推薦文】 『唐代音楽の歴史的研究』復刊を喜ぶ 日本中国学会・東方学会評議員/早稲田大学教授 福井文雅 色褪せることのない唐代音楽研究 東洋音楽学会会長/広島市立大学教授 塚田健一 日本音楽史の前提、不可欠の前史 上野学園大学教授/上野学園日本音楽資料室長 福島和夫 〔内容目次〕 〈上巻〉自序/序説 唐代楽制史概説/前言/第一章 唐代以前の楽制 第一節・唐代以前の音楽の変遷/第二節・太常寺を中心とする楽制の変遷 第二章 初唐 太常寺楽工制の完成 第一 節・雅・胡・俗三楽の鼎立―十部伎の成立―/第二節・太常寺楽工制の完成/第三節・内教坊の創設 第三章 中唐 教坊及び梨園の設置 第一節・胡・俗両楽の融合―二部伎と太常四部楽の成立―/第二節・左右教坊と新内教坊/第三節・梨園 第四章 末唐 妓館の活動 第一節・新俗楽の確立/第二節・教坊・梨園の廃頽/第三節・太常寺楽工制の混乱と太常四部楽の変質/第四節・妓館の活動 第五章 唐代楽制の遺構 第一節・宋代以後の音楽変遷/第二節・唐代楽制の遺構 各説 第一章 太常寺楽工 第一節・漢唐間の太常寺及び楽官の変遷/第二節・太常寺楽工の発生/第三節・楽工の種類と員数/第四節・楽工の階級と身分/第五節・楽工の課業とその階程 第二章 教坊 第一節・創建及び変遷/第二節・組織/第三節・宋代教坊の変遷及び組織 第三章 梨園 第一節・創設及び変遷/第二節・組織 〈下巻〉第四章 妓館 第一節・妓館の成立/第二節・妓館(北里)の組織/第三節・北里の性格と活動/第四節・宋の妓館 第五章 十部伎 第一節・成立及び変遷/第二節・組織/附説・十部伎以外の外来楽 第六章 二部伎 第一節・二部伎の成立/第二節・二部伎の内容/第三節・二部伎の本質/第四節・二部伎の変遷 第七章 太常四部楽 第一節・四部楽制の存在/第二節・各部の内容/第三節・太常四部楽の組織と変遷 年表/索引/英文要約 |
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屋号から、日本の命名造語文化の一端を考察 『屋号語彙の開く世界』 岡野信子著 定価2,940円(本体2,800円) (生活語彙の開く世界10)A5・並製 247頁 ISBN4-7576-0282-0 日本の諸地域社会の人々は、日常、近隣の家々を、苗字ではない、もう一つの名で呼び合ってきた。各戸が苗字を名乗るようになってからも、この呼称習俗はかなり長く続いた。この「家の呼び名」の名称はさまざまであるが、今、「屋号」をそれらの代表とする。 「屋号」には、近隣の人々からの「呼ばれ名屋号」と、その家の戸主の名乗った「名乗り屋号」とがあって、前者には集落社会人の他家認識が、後者には自家自覚がうかがわれる。また藩政時代には藩主からの拝領屋号もあり、明治時代以後も商家では主家から屋号をもらうこともあった。これらの様々の屋号は人々の命名造語力の豊かさをしのばせる。 諸地域の屋号語彙を取り上げて、地域生活人の家意識・家自覚を考え、またその命名造語文化の一端を考察する。 〔内容目次〕 序 屋号語彙概説 1屋号の二種・屋号を言う諸名称 2言葉屋号の三種 T 言葉屋号語彙 1命名の諸相 2言葉屋号の語構成 3言葉屋号の語種と漢字 U 家印屋号語彙 1家印屋号語彙 2チェンバレンの家印屋号研究 3家印屋号の歴史 4家印屋号の諸形とその読み方 5家印屋号の作成者と作成事情 6家印屋号に託された意味 7家印屋号の使用状況 8家印屋号の分布状況 9沖縄のヤーバン(家判) V 諸地の屋号語彙 1岩手県遠野市綾織町上綾織の屋号語彙―農村の屋号語彙― 2兵庫県明石市大久保町江井島の屋号語彙―諸業もあった半農半漁社会の屋号語彙― 3岡山県川上郡成羽町吹屋の屋号語彙―銅山のあった町と、隣接した農村との屋号語彙― 4島根県隠岐郡五箇村大字郡の屋号語彙―島の農村の、慶長7年・貞享4年・明治5年・明治40年・昭和20年・昭和58年の屋号語彙― 5山口県萩市三見の門名語彙―農家集落と漁家集落の門名語彙― 6長崎県南高来郡口之津町の屋号語彙―島原半島南端の港町の屋号語彙― 7沖縄県中頭郡北中城村安谷屋の屋号語彙―門中社会の屋号語彙― 8北海道檜山郡上ノ国町汐吹の家印屋号語彙―同姓の多い漁家集落の家印屋号語彙― W 集落社会生活の中の屋号 1集落社会人の屋号観 2屋号の命名と披露 3屋号の使用状況 4屋号の固定と改変と伝播 5屋号の手習い帳と屋号の遊び歌 X 屋号の歴史 1室町時代の文献に見えている屋号 2江戸時代の文献に見えている屋号 3昭和・平成期の屋号文献 索引/おわりに |
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鎌倉時代の掉尾を彩る絵巻、『春日権現験記絵』初の全注釈成る。 本文影印全文カラー 『春日権現験記絵注解』 神戸説話研究会編 定価21,000円(本体20,000円) B5・上製 口絵8頁・本文364頁 ISBN4-7576-0299-5 注解頁三段組=本文影印全文カラー(上段)・翻刻(中段)・注解(下段) 西園寺公衡の発願により興福寺と藤原氏とが手を携えて製作し、延慶二年(一三〇九)春日社に奉献された本絵巻の研究は、主に美術史学や日本史学の分野から進められてきたが、絢爛たる絵巻としての分析の蓄積に比して、馥郁たる詞書に関する読解の営為は、未だ全巻にわたる注釈作業が成し遂げられぬまま今日に至った。本注解は、春日社の宝庫に納められることとなった旧桑名本絵巻全巻を掲げ、詞書の翻刻を示した上で全注釈を施したもの。 承平七年(九三七)の託宣にはじまり嘉元二年(一三〇四)の奇瑞までを記す春日明神霊験伝承の集たる本絵巻は、多くの文化的・社会的事象を織り込んだ、汲めども尽きせぬ豊かさに満ちている。ものがたられる伝承が史実を内包しつつ、高度にことの本質を描き出すことは確かにあり得たのである。そうした、含意や寓意が伝承の行間に明滅するさまを、本注解においては、説話研究の立場からできる限り捉えようと試みた。これは、人文学における学際的研究の必要牲が叫ばれるなか、文学の領域からの日本文化学構築へ向けた成果報告でもある。 思想・歴史・美術等の諸学問領域の研究にも寄与するところあらんことを願いつつ、本書を世に送る。 〔内容目次〕 口絵/序/凡例/説話(章段)番号等一覧表 注解 巻一〜巻二十 春日権現験記絵目録/付録 春日本独自記事 (春日本別巻)田安宗武論評・(春日本巻二十末尾)松平定信奥書・春日本箱蓋裏書 解説論文 『春日権現験記絵』と貞慶 近本謙介/『春日権現験記絵』と明恵 山崎淳/『春日権現験記絵』の信仰的背景 生井真理子/『春日権現験記絵』の社会的・人間的背景 柴田芳成・橋本正俊・本井牧子/『祐春記』から見る「神鏡奪取事件」 内田澪子 〔特別再録〕春日本『春日権現験記』の解説 大東延和 主要引用文献出典一覧/あとがき/主要語句索引 |
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『中世仏教説話論考』 野村卓美著 定価10,500円(本体10,000円) (研究叢書323)A5・上製 424頁 ISBN4-7576-0295-2 明恵上人について調査する過程で、明恵と説話、明恵の周辺で説話・説話集に関わった人物等について、考察を加えた論考を纏める。 第T部 長明の『発心集』慶安本の編者が単数であることを検討し、慶政と明恵との交友関係、『閑居友』『比良山古人霊託』等の作品をとおして、慶政の仏教観・九条家における慶政の僧侶としての一端を論じる。 第U部 『宝物集』の作者とされている平康頼は明恵とは直接の関わりはないが、同時代人の仏教説話作者として調査を試みた。以下の三点を中心に論じた。第一に、『宝物集』一巻本が「稿本」であり、七巻本がそれを参照したとする論を中心に検討し、幾つかの矛盾点を指摘した。第二は、七巻本には四百二十余首の和歌が引用されているが、直接の典拠とされている『続詞花集』・『月詣集』・寿永百首歌集との関係を検討した。最後に、七巻本冒頭部を中心に、説話設定日の矛盾と引用和歌に纏わる説話と六条藤家の歌論書との関わりを論じた。 第V部 高山寺所蔵『釈迦如来五百大願』と『悲華経』、『釈迦如来五百大願』と仏典・説話集との関わりを論じた。平安時代末から『悲華経』として引用される場合には、教典そのもの、『釈迦如来五百大願』、偈の三つのケースがあり、南都仏教は勿論であるが、所謂新仏教者と呼ばれる僧侶の著述にも頻繁に引用されていることを指摘した。 第W部 『春日権現験記絵』を中心に論じた。興福寺・春日社は藤原氏との関係が強調されるが、村上源氏が頻繁に登場すること、巻五で詳述される藤原俊盛の息丹波守盛美と峰定寺釈迦如来像の関わり、丹波守盛美の周辺と俊盛の孫の世代が、緊密な関係が強調されている興福寺を避けて、他の寺院で出家する背景を考察した。 |
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『紫式部集論』 山本淳子著 定価8,400円(本体8,000円) (研究叢書324)A5・上製 266頁 ISBN4-7576-0296-0 紫式部の自撰家集『紫式部集』に焦点を当て、「歌群配列・編集技巧」の新しい視点から作品を問い直す。たった百数十首の中に作者は自分の生涯をこめた。幼少時代、旅、恋、結婚、死別、宮仕え。人生史を構成する歌々を、様々の仕掛けを施しながら作者は並べた。響き合い。伏線と明かし。思わせぶりと肩透かし。誤読の誘い。引き込まれ読み進む読者に唐突に突きつけられる、あまりに難解な人生洞察詠。後半はその洞察を確かめるかのように人生の各場面の記憶を辿り、最終歌、何も知らず人生の庭に降り立った頃を思い、憂いにまみれた一生を心に刻みつつ、それでも生きてゆくと詠じて、家集の扉は閉じられる。本作品は、歌集という形をとり、物語と批評の方法を援用した回想録と呼ぶにふさわしい。その魅力を、丹念に、またスリリングに読み解く。 〔内容目次〕 T 紫式部集の構造 1紫式部集の方法 童友達の「物語」/方違えの人の「物語」/夫の「物語」―恋と結婚/夫の「物語」―死別/むすびにかえて 2二類本錯簡修復の試み 文脈秩序による錯簡修復―出仕と新たな懊悩/文脈の連係―宮仕の孤独 3後半の構造について 二つの憂い/「明色志向」の宮仕え歌/「身」と「心」の三態と後半の三部構成/順応への違和感 U 紫式部集の表現 1心の旅―旅詠五首の配列― 往路詠か復路詠か/都から異郷へ―「心」の旅/土佐日記に寄せて 2桃花歌考 平安期和歌における桃花/人事寓意の可能性/恋の長久/「晩桃花」 3「身」と「心」―紫式部の白詩受容― 解釈の困難さ/和歌史の中の「身」と「心」/白居易の「身」「心」観の受容 4白山歌と都鄙感覚 都人から鄙人へ―価値観の変容/「白山」イメージの活用/紫式部の都鄙感覚 5形見の文―上東門院小少将の君と紫式部― 「形見」ということ/物の中の文/形見の文たち V 紫式部集の主題 1紫式部集の主題 「世」・「身」・「心」への覚醒/歌集構造における少女期歌群の意義/作品主題と少女期の意義/最終場面の方法/付 紫式部集研究史概括―本文論・構造論・主題論を中心に― 補説 指示副詞「かく」使用歌による歌群表現―『古今集』『和泉式部続集』『四条宮主殿集』における― 『和泉式部続集』「五十首歌」昼偲ぶ/『古今集』恋一 巻頭部/『四条宮主殿集』前半/『和泉式部続集』「日次歌群」 /初出一覧・あとがき・和歌初句索引 |
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『和歌六人党とその時代 ―後朱雀朝歌会を軸として―』 高重久美著 定価12,600円(本体12,000円) (研究叢書326)A5・上製 口絵2頁・折込3枚・本文523頁 ISBN4-7576-0298-7 六人党は、『拾遺集』から『後拾遺集』に至る勅撰集空白期に官僚歌人ともいうべき独自の活動を展開した。その牽引力である摂津源氏頼実の長久四年(一〇四三)冬に詠まれた「落葉如雨」題歌「木の葉散る宿は聞ゝ分くことぞなき時雨する夜も時雨せぬ夜も」は、「落葉」、それも華やかな散る「紅葉」ではなく、散る「木の葉」を聴覚において捉えて、冬の夜の山里の寂寥感を表出するのみでなく、ひたすら自己の内面に沈潜してゆく心を形象して、次代をになった源俊頼・藤原俊成らに高く評価された。 本書は、如上の六人党について、説話世界の拡がりの中に歴史事実がともすれば霧散する中で、その事蹟を詳細に検証し、和歌史にはじめてその生成、消長を具体的に跡づけた労作である。犬養廉氏の「和歌六人党に関する試論」(『国語と国文学』昭和三一年九月)以外、殆ど論を見ないこの分野は、そのまま研究未開拓領域であったが、そうした時代への意欲的な取り組みである。 〔内容目次〕 はじめに/序(はしがき)/序章/ 一「六人党」の世界 第一章 藤原範永と六人党/第二章 能因/第三章 歌人相模/ 二 六人党の時代 T「六人党」の生成 第一章 長元八年(一〇三五)冬大堰紅葉題歌会/第二章 宇多源氏資通―摂津源氏歌人頼実像が照射するもの―/ U 後朱雀朝―和漢兼作の侍臣たち― 第一章 長元九年八月十五夜遍照寺詩歌会―摂津源氏頼実と藤原南家実範―/第二章 長暦二年(一〇三八)三月三日「花薫水上盃」題詩会/ V「六人党」の終焉 第一章 橘義清と「六人党」/第二章 長久四年(一〇四三)冬西宮邸「落葉如雨」題歌会/ W 永承年間の六人党 第一章 「西宮」邸/第二章『橘為仲朝臣集』/第三章 俊綱家歌会/ 終りに―天喜年間以降の展望/ 三 和歌史上の六人党 第一章 「紅葉ゝ」を着る人 公任―頼実(六人党)―俊頼/第二章 「落葉」の音 能因―頼実(六人党)―俊頼/ 初出一覧/歌題と詠歌年次―家経集と範永集七二〜一七三番歌群―/橘為仲朝臣集詠歌年次/六人党略年譜/あとがき/人名索引 |
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『源平盛衰記の基礎的研究』 岡田三津子著 定価8,925円(本体8,500円) (研究叢書328)A5・上製 456頁 ISBN4-7576-0301-0 『源平盛衰記』は現存する諸伝本間に本文異同がほとんどなく、単一の本文として認識されることが多かった。また、誤写・誤読に由来すると思われる表記や表現によって、本文としては様々な問題を抱えている。それにも関わらず、これまで盛衰記そのものについての基礎的研究は乏しく、本文研究は軽んじられてきた。本書は盛衰記の本文および伝本の研究は、他の読み本系諸本との関係性の解明にも重要な意味を持つという新たな視点からの論文集である。 本書においては、古本系『源平盛衰記』として、従来検討の対象とされてきた伝本に、あらたに成簣堂文庫本と早大書入本を加え、十六世紀後半以降に書写・刊行された現存盛衰記の本文がどこまで遡及可能かを見極めるために多面的な考察を加えている。第一部には本文の基礎的研究を、第二部には、盛衰記の形成に影響を与えた資料および盛衰記の影響下にある謡曲についての考察を収録した。 〔内容目次〕 序 伊藤正義/伝本研究史と本書の意図/ 第一部 源平盛衰記本文に関する基礎的研究 第一篇 古本系伝本の認定 第一章 写本書誌/第二章 古本系写本の認定/第三章 浅井了意筆源平盛衰記の本文 第二篇 古本系伝本本文の検討 第一章 慶長古活字本/第二章 静嘉堂文庫本/第三章 黒川本と蓬左文庫本/第四章 成簣堂文庫本/第五章 本文遡及の可能性/付 和歌一覧表/付 異同(脱文)一覧 第三篇 古本系伝本相互の関係 第一章 異本注記/第二章 人物注記と出典注記/付 傍注一覧表/第三章 一字下げ記事/第四章 章段目録/付 翻刻 大東急記念文庫蔵『源平盛衰記総目』/ 第二部 平家物語諸本・他文献との関連 第一章 延慶本平家物語・長門本平家物語/第二章 『新楽府』注釈/第三章 謡曲《大原御幸》/結び/ 初出一覧/あとがき/索引 |
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『浜松中納言物語全注釈』 中西健治著 定価29,400円(本体28,000円) (研究叢書329)A5・上製 上巻=口絵2頁・本文831頁 下巻=591頁・二分冊・分売不可 ISBN4-7576-0302-9 源氏物語の影響を色濃く受けて成った物語のうち、浜松中納言物語のみは、古典大系、新編古典全集には辛うじて収められてはいるものの、平安末期物語群として一まとめに扱われるときには、つねに一歩退いた感があった。今般、刊行された本格的注釈書である『浜松中納言物語全注釈』は、このような扱われ方を大きく改善させ、研究条件をより整ったかたちに導く基礎的文献となり得るであろう。底本本文には巻一から巻四までは最善本たる前田尊経閣文庫蔵本、巻五は広島市立図書館蔵浅野文庫本を底本として全本文を掲げ、口語訳を施した。さらに読解の便を図るべく各巻を細かく項目を設けて区分し、文中に表れた語彙・語句についての厳密な注釈を通して物語全体の理解を試み、巻末には便利な語句索引や一覧表などを付した。本書に示されている多くの新見は浜松中納言物語にとどまらず、源氏物語を初めとする平安朝の物語研究にも有益であろう。 〔内容目次〕 序文 伴 利昭/凡例 付・底本の扱い 付・底本に関する覚え書き/散逸首巻関連資料/全項目一覧/ 浜松中納言物語全注釈(巻一〜巻五)/ 索引 一 注釈語句 二 補説 三 和歌初句 四 書名・人名/ 登場人物系図/年立/諸注釈書頁対照表/浜松中納言物語読解参考文献一覧/あとがき |
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『ある近代日本文法研究史』 仁田義雄著 定価8,925円(本体8,500円) (研究叢書330)A5・上製 271頁 ISBN4-7576-0303-7 『ある近代日本文法研究史』は三部から成り立っている。第一部は、「構文論的研究から見た近代日本文法研究史」と題され、前編「陳述・文成立をめぐって」と後編「主要な文法学説二つ」に分けられている。前編では、著者が日本文法学派と仮称している、文とはなにか、文はいかに成立するのかをめぐっての考察、いわゆる陳述論と呼ばれる研究が史的展望の元に描き出されている。後編では、松下大三郎、橋本進吉の文法研究を言語研究の流れや時代・社会的背景の中で描き出すよう努められている。第二部は、「品詞・単語を中心に近代日本文法研究史を見る」と題され、「初期欧文典・辞書に現れた品詞名」「明治初期の洋式文典」「日本語文法研究史における形容詞」「単語認識史」の四章が収められている。西洋言語学・西洋文典からの影響を抜いては考えられない近代日本文法研究の歩みが描かれている。第三部は、「人と学問」と題され、三上章、奥田靖雄、寺村秀夫が取り上げられている。 〔内容目次〕 序章/第1部 構文論的研究から見た近代日本文法研究史 《前編 陳述・文成立をめぐって》第1章 陳述論争大概/第2章 山田文法における文の認定/第3章 三宅武郎の陳述論/第4章 時枝文法における文認定/第5章 渡辺実の構文論―文成立論を中心にして― 《後編 主要な文法学説二つ》第6章 松下大三郎の文法理論 第7章 橋本進吉の構文論―橋本国語学の言語学史的位置づけとともに―/第2部 品詞・単語を中心に近代日本文法研究史を見る 第8章 初期欧文典・辞書に現れた品詞名/第9章 明治初期の洋式文典―品詞分類を中心にした考察―/第10章 日本語文法研究史における形容詞/第11章 単語認定史/第3部 人と学問 第12章 三上章と奥田靖雄―それぞれの軌跡―/第13章 寺村秀夫の日本語文法研究への誘い/参考文献/あとがき |
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『上方能楽史の研究』 宮本圭造著 定価15,750円(本体15,000円) (研究叢書331)A5・上製 784頁 ISBN4-7576-0305-3 近世、上方では自ら能を演じ楽しむ町人たちの姿が多く見られた。本書は、そうした京都や奈良の町人、そして奈良春日社の禰宜、興福寺の寺僧といった幅広い階層の人々がいかに身近に演能を行っていたかを丹念に辿り、江戸幕府の式楽とは様相を異にする上方能楽史の諸相を明らかにしようとした意欲作である。江戸前期の禁裏・仙洞能、京都勧進能番組を膨大な史料から集成した資料編も今後の研究に資するところが大きく、本書によって上方能楽史の研究が飛躍的に進展を見ることは疑いがない。あわせて元禄歌舞伎の新出資料である、近松門左衛門・坂田藤十郎らの寄進になる瀧安寺大般若経の紹介を含む近世芸能に関する論考五編を収載する。 〔内容目次〕 本文編 序章 手猿楽の発生と展開/第一章 江戸前期京都能楽界の動向 第一節 公家社会と能楽 第二節 その後の手猿楽渋谷 第三節 神松頼母考―近世前期禁裏能大夫の一側面― 第四節 能大夫小畠了達とその一族 第五節 進藤家の人々 第六節 日吉社神事能と京都の能役者/第二章 南都禰宜衆の演能活動 第一節 江戸初期奈良能楽界の動向 第二節 南都禰宜衆の演能活動/第三章 神事猿楽の動向 第一節 猿楽貴志大夫考―紀伊の神事猿楽― 第二節 播磨の神事猿楽 第三節 丹波猿楽の近世―江戸期日吉大夫の系譜― 第四章 畿内諸藩の能楽 第一節 紀伊徳川藩の能楽 第二節 宇陀松山藩の能楽/ 資料編【資料一】江戸前期の禁裏・仙洞能 【資料二】洛中洛外の勧進能―元禄以前― 【資料三】紀伊藩お抱え役者の系譜/【付編】近世芸能をめぐる諸問題 第一節 近世の女舞 第二節 古浄瑠璃史再検 第三節 和歌浦東照宮奉納の操り芝居図絵馬をめぐって―和歌山における芝居興行の一側面― 第四節 中村如水と坂田藤十郎―元禄歌舞伎と能― 第五節 箕面瀧安寺大般若経と歌舞伎役者―元禄歌舞伎の新資料―/【箕面瀧安寺大般若経奥書一覧】/あとがき/索引(人名・書名) |
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現存最古の写本の全貌公開 『八雲御抄』研究の新しいスタート 『八雲御抄 伝伏見院筆本』 片桐洋一監修・八雲御抄研究会編 定価9,975円(本体9,500円) (研究叢書332)B5上製・口絵2頁・本文220頁 ISBN4-7576-0307-X 『八雲御抄』の伝本研究は、久曽神昇博士の画期的な労作『校本八雲御抄とその研究』(一九三九年刊)によって始まったと言ってよいが、その後は、内閣文庫本などの初稿本とそれ以外の再撰本系との相違だけを問題にして事足れりとし、初稿本系といわれる内閣文庫本においても、巻によって性格を異にするのではないかという疑問や、初稿本系と再撰本系という分類だけでは説明できぬ中間的要素を持った本の存在をどのように説明するかという点についても、納得できる研究成果は提示されてこなかった。 ここに紹介しようとする伝伏見院筆本(文化庁保管、重要文化財)は、鎌倉時代中後期の書写。完本としては現存最古の写本であるばかりか、まさに右に述べた両系の中間的な本文を持っている貴重な伝本である。『八雲御抄』の研究は、この本の出現によって、新しいスタート台に立ったと言えるのである。 〔内容目次〕凡例/本文 序 八雲抄第一 正義部 八雲抄第二 作法部 八雲抄第三 枝葉部 八雲抄第四 言語部 八雲抄第五 名所部 八雲抄第六 用意部/略校異/解説/和歌初句索引 |
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『新撰万葉集注釈 巻上(一)』 新撰万葉集研究会編 定価9,450円(本体9,000円) (研究叢書333)A5・上製 408頁 ISBN4-7576-0308-8 『新撰万葉集』は、万葉仮名で記された和歌にそれを翻案した七言絶句の漢詩を配するという特異な形式を持つ歌集である。上下二巻からなり、菅原道真撰と伝えられているため『菅家万葉集』とも呼ばれる。寛平五年(八九三)九月二十五日の日付の入った序を持ち、『古今和歌集』の撰ばれた延喜五年(九〇五)の十二年前の成立である。 『古今和歌集』成立の前夜に出現したという文学史上の重要性にもかかわらず、漢詩を含む難解さもあって、全体に亙る詳しい注釈は作られていないが、新撰万葉集研究会(代表・新間一美)はその注釈を志し、この度第一冊目を刊行することになった。 注釈に際しては、諸本の異同、万葉仮名の表記、和歌における漢詩的表現、和歌と漢詩の関わりという点に特に留意している。本巻では、序及び巻上春・夏部の注釈と内田順子「『新撰万葉集』和歌の表記について」を収めた。 なお、巻上秋・冬・恋部の注釈を収める第二冊目『新撰万葉集注釈 巻上(二)』は来年春に刊行の予定(全三冊)。 〔内容目次〕 凡例/一 新撰万葉集序注釈 新間一美/二 新撰万葉集注釈・巻上春部/三 新撰万葉集注釈・巻上夏部/四 『新撰万葉集』和歌の表記について 内田順子 |