『上方文化講座 曾根崎心中』
大阪市立大学文学研究科「上方文化講座」企画委員会編
定価2,100円(本体2,000円)
A5並製・256ページ ISBN4-7576-0382-7
日本図書館協会選定図書
大阪市立大学大学院文学研究科・文学部は二〇〇四年度より特別授業科目「上方文化講座」を開設した。本講座は、大阪の地に歴史的に育まれた文化、わけても伝統芸能に光をあて、学問的体系のもとに学ぼうとする試みである。講師として伝統芸能の第一線で活躍する専門家を招き、文学研究科スタッフとの共同作業により授業を組み立てていく。本書は、講座開設の年に行われた「上方文化講座二〇〇四─『曾根崎心中』─」の成果をまとめたもの。人間国宝・竹本住大夫はじめ、竹本津駒大夫、鶴澤清介、桐竹勘十郎という文楽界の名手たちが芸の奥義を語り、文学研究科スタッフがさまざまな学問分野から多角的に作品を分析する。文楽技芸員と大学とのコラボレーションにより闡明される近松の世界を、『曾根崎心中』の新注とともに世に送る。
〔内容目次〕 凡例/浄瑠璃史と近松―恋慕愁嘆の系譜― 阪口弘之/人間国宝に聞く―世界の文化遺産「文楽」― 竹本住大夫 聞き手阪口弘之/曾根崎心中付り観音廻り 阪口弘之校注・訳/『曾根崎心中』現行曲/
【観音廻り】辰松八郎兵衛口上・出遣い図を読む 桐竹勘十郎 阪口弘之/「観音廻り」の文章―和歌的修辞を中心に― 金光桂子/「観音廻り」の背景―観音信仰の問題を中心に― 小林直樹/
【生玉社前の場】「町の衆」と「御町衆」 塚田孝/
【天満屋の場】縁の下屋と人形演出 桐竹勘十郎/「天満屋」の場―語りと人形演出― 竹本津駒大夫 鶴澤清介 桐竹勘十郎 聞き手松浦恆雄/堂嶋新地と茶屋 塚田孝/
【徳兵衛お初道行】「徳兵衛お初心中の道行」舞台 竹本津駒大夫 鶴澤清介 桐竹勘十郎 聞き手阪口弘之/日本文学にみる道行文の流れ 金光桂子/中国演劇における「心中」 松浦恆雄/近松の死生観 金児暁嗣/
【上方文化講座に参加して】大阪の再生と文楽 石津定雄/はじめての人への文楽紹介 四方淑江/母音で楽しむ「観音廻り」 四方淑江/大衆文化を伝え続けた農村舞台―全国最多の徳島にみる復活、継続、新たな創造― 鈴木康浩/
『曾根崎心中』主要参考文献解題 坂本美加 四本奈央/近松門左衛門略年譜 坂本美加 四本奈央/図版出典一覧/「上方文化講座二〇〇四―『曾根崎心中』―」授業日程/「上方文化講座」をふりかえる―あとがきに代えて― 小林直樹/【巻末折込】元禄四年大坂大絵図 大坂三十三所観音廻り図 堂島・曾根崎村付近拡大図(道行参考図)
■好評既刊■
『近松門左衛門 三百五十年』 近松生誕三百五十年記念近松祭企画・実行委員会編 定価1,890円
|