『花伝 諸本対観
伊藤正義編
定価18,900円(本体1,8000円)
B5上製カバー装・169ページ(対観本文二色刷)・ISBN978-4-7576-0471-1

 『風姿花伝』は吉田本、観世本(宗節署名本)、金春本と呼ばれる三本の主要五巻本が知られており、また、「第四神儀云」が「聞書云」と題されて、第五相当の「奥義云」を持たないいわゆる四巻本がある。世阿弥の伝書のうちでは例外的に伝本の多い『風姿花伝』であるが、そのすべてがこの四系統のうちに属して、その本文は上に掲出の順に紹介されてきた。近年は比較的善本と考えられている金春本を底本とし、他本を参照して校訂本を作成して読まれるのが普通となっている。それはそれでよしとするも、いま少し踏み込んで、主要四本のそれぞれが、その系統の本文状況の中でどのようなかたちに受け止め、どのような位置を占めるのかを測っておく必要はあるだろう。ここに「第六花修云」、「第七別紙口伝」を加えた『花伝』の全伝本の対観を資料化して、今後の研究にいささかなりと寄与するところあれかしと願うばかりである。(「はしがき」より)


〔内容目次〕
はしがき/花伝諸本略解題 諸本対観凡例
花伝諸本対観
 風姿花伝  序 (五巻本〈金春本・吉田本・観世本〉・四巻本〈金春別本〉)
       第一 年来稽古条々(同上)
       第二 物学条々(同上)
       第三 問答条々(同上)
       第四 神儀云(同上・四巻本は「聞書云」)
           奥義云(金春本・吉田本・観世本)
    花伝第六 花修云(世阿弥自筆本)
    花伝第七 別紙口伝(古本〈四郎相伝本〉・元次相伝本)
『花伝』覚書 『花伝書』の世界/世阿弥伝書『花伝』/堀家本の出現/花廼家守枝と花廼家文庫/花屋書院より松廼舎文庫へ/黒川文庫の変遷/松廼舎文庫回顧/松廼舎文庫の世阿弥伝書/堀家本は本願寺本か/観世宗家の資料公開/能楽資料頒布会/観世宗家伝来資料の総合調査/金春家伝来資料/金春八左衛門家本『風姿華伝』/『花伝』の諸本対観について

好評既刊■(価格は税込)
風姿花伝 影印三種 表 章・伊藤正義編 定価1,785円
磯馴帖 松風篇・村雨篇 磯馴帖刊行会編 定価42,000円
上方能楽史の研究 宮本圭造著 定価15,750円  
岡家本江戸初期能型付 藤岡道子編 定価12,600円 






『萬葉語文研究 第4巻
萬葉語学文学研究会編
定価3,675円(3,500円)
A5・並製・208ページ・ISBN978-4-7576-0495-7

萬葉集を中心とする上代文学、八世紀を中心とする日本語学の、新たな展開を告げる論考を集めた論集。


〔内容目次〕
山部宿祢赤人が歌六首(巻3・三五七〜三六三)について 坂本信幸
大伴百代の恋の歌―巻四・五五九歌を中心に― 大島信生
『挹乱』改訓考 新谷秀夫
『経国集』巻十三「夜聴擣衣詩」(一五三)攷―その表現と解釈について― 渡邉寛吾
続日本紀宣命における「治」字の刑罰用法 白石幸恵
『遊仙窟』本文語彙と和訓―畳語を中心に― 張 黎
カの接続 蔦 清行
書紀歌謡85番の「奴底」について―α群の字音表記の在り方から考える― 亀山泰司
「あぢむらこま」から「アヂムラサワキ」へ―4・四八六における訓釈をめぐって― 内田賢徳
萬葉語学文学研究会記録

好評既刊年一回刊行 定期購読受付中
萬葉語文研究 第1集 萬葉語学文学研究会編 定価2,835円
萬葉語文研究 第2集 萬葉語学文学研究会編 定価3,150円
萬葉語文研究 第3集 萬葉語学文学研究会編 定価2,940円

新校注 萬葉集 井手 至・毛利正守 定価2,310円






■重要古典籍叢刊 150部限定販売■
『後撰和歌集 伝坊門局筆本

片桐洋一編
定価52,500円(50,000円)
(重要古典籍叢刊5)A4横本・上製・函入・407ページ・ISBN978-4-7576-0486-5

《高精細なFMスクリーンの鮮明な影印による古典籍の復刻》

 伝、坊門局筆『後撰和歌集』と呼称されて来たが、藤原俊成の娘で、定家の姉にあたる八条院坊門局の真跡ではない。しかし、伝俊成筆四半本『古今和歌集切』の筆跡に近い鎌倉時代書写の逸品。
 本文は定家本系統でも清輔本系統でもなく、その両系統に分かれる前の本文を留めていて、『後撰和歌集』の成立の過程を探究する絶好の資料と言える。
 従来、部分的紹介はあったが、本文全体の公開は初めてで、物語的歌集と言われる『後撰和歌集』の深層に迫り得る絶好の手がかりとなるだろう。
 斯界の権威、片桐洋一博士の要を得た解題を付す。


 


〔内容目次〕
後撰和歌集 上

後撰和歌集巻第一 春上/後撰和歌集巻第二 春中/後撰和歌集巻第三 春下/後撰和歌集巻第四  夏/後撰和歌集巻第五 秋上/後撰和歌集巻第六 秋中/後撰和歌集巻第七 秋下/後撰和歌集巻第八 冬/後撰和歌集巻第九 恋歌一/後撰和歌集巻第十 恋歌二/後撰和歌集巻第十一 恋歌三
後撰和歌集 下
後撰和歌集巻第十二 恋歌四/後撰和歌集巻第十三 恋歌五/後撰和歌集巻第十四 恋歌六/後撰和歌集巻第十五 雑歌一/後撰和歌集巻第十六 雑歌二/後撰和歌集巻第十七 雑歌三/後撰和歌集巻第十八 雑歌四/後撰和歌集巻第十九 離別 羈旅/後撰和歌集巻第二十 慶賀 哀傷
解題






『鴨長明とその周辺』
今村みゑ子著
定価18,900円(18,000円)
(研究叢書382)A5・上製・函入・639ページ・ISBN978-4-7576-0493-3

 鴨長明の活動は和歌・説話・随筆・管絃等さまざまな分野に及ぶ。本書はそうした長明の人と作品について、多岐にわたる問題を新たな観点から検証して論じ、また、周辺の人と作品に関する論考を収載する。第一部第一編は『発心集』『方丈記』を中心に、往生思想、テキスト、作品の成立と後世の享受、および長明にまつわる諸問題を論じる。第二編は「数寄と仏道」という観点から和歌と管絃―特に長明の琵琶について、『胡琴教録』の著者が長明である可能性、「秘曲尽くし」の主催意図および長明伝における定位、「月講式」企画意図等を論じる。長明の研究には多様な文学ジャンル、管絃、また出家遁世に関わる視野が必要になる。あるいは時代や人にも視線が及ぶ。第二部はその所産である。第一編は長明を相対化する意図から藤原定家を取り上げ、第二編は『高野山往生伝』『金槐和歌集』『源家長日記』『今物語』『徒然草』『鳥獣戯画』等の作品や順徳天皇の音楽を論じる。


〔内容目次〕
はじめに
第一部 鴨長明 第一編 長明とその作品 第一章 『発心集』「橘大夫、発願往生事」の成立と成賢の享受―長明による改変と思想―/第二章 成賢および醍醐寺と大福光寺本『方丈記』/第三章 『発心集』と唱導―津軽家本『中納言顕基事』など―/第四章 略本・流布本『方丈記』をめぐる―一条兼良のこと、および享受史―/第五章 長明の通称―「南大夫」・「菊大夫」をめぐる―/第六章 長明と定家―「みなし子」・「重代の家」を視点として―/第二編 長明の数寄と仏道 第一章 『発心集』「郁芳門院の侍良、武蔵の野に住む事」における抒情性/第二章 『胡琴教録』作者考―長明作者の可能性―/第三章 「秘曲尽くし」と琵琶「手習」―『文机談』を読み直す―/第四章 『発心集』顕基説話の琵琶―長明の情念―/第五章 長明企画禅寂作成『月講式』の意図/第六章 藤原(九条)教家と増補本『月講式』
第二部 その周辺 第一編 藤原定家 第一章 定家と式子内親王―『明月記』を中心に―/第二章 定家と興心房/第三章 『たまきはる』試論―定家の影響を探る―/第二編 周辺の人と文学 第一章 『高野山往生伝』作者考―資長作者をめぐって―/第二章 実朝独創歌の背後にあるもの―歳暮の歌「乳房吸ふ」を中心に―/第三章 『源家長日記』における重陽の贈答をめぐって―後鳥羽院と雅経―/第四章 『今物語』の編纂と表現/第五章 『今物語』における「速さ」―表現に着目して―/第六章 「つれづれ」―兼好の位相―/第七章 順徳天皇と音楽/第八章 絵巻『鳥獣戯画』を読み解く―戯画の重層性、および「遊び」について―
結び
後記/人名索引






『中世前期の歌書と歌人』
田仲洋己著
定価23,100円(22,000円)
(研究叢書383)A5・上製・函入・765ページ・ISBN978-4-7576-0494-0

本書は、平安時代後期から鎌倉時代初頭、所謂院政期から新古今時代にかけて生を享けた幾人かの歌人の作歌活動や、彼等の手に成る幾編かの歌書についての考察を纏めたものである。その中心を為すのは、藤原定家の和歌作品の表現分析や『古来風体抄』『定家十体』『毎月抄』等の歌論書の成立や真偽についての研究であるが、俊成・定家父子の出現に至るまでの和歌史の流れを見据えつつ、彼等の先達として位置付けられる源俊頼・藤原道経等院政期諸歌人の詠歌や事蹟についても考察する。また、当代歌壇において成立した『袋草紙』『歌仙落書』等の歌論歌学書や、周辺の同時代歌人の和歌作品を対象とする論をも収める。とくに『伊勢物語』『源氏物語』『狭衣物語』をはじめとする王朝物語世界とこの時代の和歌作品との関わりを重視し、物語受容という見地から具体的な和歌表現を分析することが多いのが一つの特長である。


〔内容目次〕
序章 院政期・新古今時代の和歌史粗描
 引用本文について
第一部 院政期の歌書と歌人 第一章 源俊頼の周辺/第二章 『俊頼髄脳』の一面/第三章 藤原道経の和歌―附 院政前期の和歌と物語―/第四章 子どもの詠歌―『袋草紙』希代歌をめぐって―/第五章 子どもの詠歌補説―子どもが詠んだ歌と子どもを詠んだ歌―
第二部 藤原俊成の周辺 第一章 藤原俊成の藤原基俊への入門をめぐって―伊通と雅定―/第二章 『歌仙落書』撰者考/第三章 『三百六十番歌合』について/第四章 八条院六条とその周辺/第五章 三宮惟明親王の正治初度百首詠について/第六章 『古来風体抄』の成立をめぐって/第七章 『俊成三十六人歌合』について
第三部 藤原定家 第一章 建久元年「一字百首」「一句百首」について/第二章 藤原定家の本歌取一面/第三章 藤原定家の恋と王朝物語/第四章 『御室五十首』夢の浮橋詠をめぐって/第五章 承久二年野外柳詠について/第六章 『定家十体』再考/第七章 『毎月抄』小考/第八章 西園寺公経の和歌と王朝物語―正治・建仁期を中心に―
後記




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