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■池上洵一著作集全四巻完結■ 『池上洵一著作集 第三巻 今昔・三国伝記の世界』 池上洵一著 定価14,700円(本体14,000円) A5・上製・函入・531ページ・ISBN978-4-7576-0443-8 《著者の作品論的説話研究の最高到達点》 『今昔物語集の世界―中世のあけぼの―』と『修験の道―三国伝記の世界―』を、新たに修訂を加えつつ一巻に纏め、主要語句索引を附す。符牒のような専門用語は極力避け、万人に通じる言葉で、しかも高度な研究を実現させたいと誓った著者の、多年の思いと研究の成果がこの一巻に凝縮する。巻末には『修験の道』の研究を生む基盤となった「近江湖東地域寺社縁起基礎資料」を新たに収録。稀覯の地誌類を博捜した湖東地域の寺社縁起のきめ細かな一覧表的集成は、各方面の研究に多角的に寄与するに違いない。 〔内容目次〕 第一編 『今昔物語集』の世界―中世のあけぼの― 序章 『今昔物語集』への招待 1 『今昔物語集』とわたし/2 『宇治大納言物語』の影/3 奈良のどこかで/第一章 事実から説話へ(その一)―興福寺再建の霊験― 1 〈起こりうる奇跡〉と〈起こりえない奇跡〉/2 説話化の軌跡/第二章 事実から説話へ(その二)―花山院女王殺人事件― 1 深夜の惨劇/2 事件の黒幕/3 語り手は知っていた/4 フィルターの歪み/第三章 説話のうらおもて―中山神社の猿神― 1 昔話の猿神退治/2 落魄の猿神/3 〈徒死〉と〈犬死〉/4 〈同ジ死ニヲ〉/5 都市人と地方神/第四章 説話の視界―明尊僧正と平致経― 1 対象との距離/2 闇の支配者/3 変質する矜恃/4 撰者の目/第五章 天竺から来た説話―月の兎― 1 身を焼いた兎/2 兎の餅つき/3 親近感の理由/4 日本的なるもの/第六章 震旦説話の変容―説話の荘子― 1 材と不材との間/2 似て非なる理解/3 魚の心/4 偽善者孔子/5 撰者の理解力/第七章 説話の翻訳―忠文の鷹、そして浄尊法師― 1 話としての論理/2 誤訳さまざま/3 空白発生の理由/4 底下の凡愚/第八章 『今昔物語集』の展望 1 仏法と世俗/2 仏教説話の構成/3 巻廿三、巻廿五の分立/4 二話一類様式の謎/あとがき/第二編 修験の道―『三国伝記』の世界― 序章 再発見への旅立ち 1 知られざる古典/2 再発見への試み/第一章 『三国伝記』の世界 1 つかのまの国際化時代/2 梵・漢・和/3 撰者玄棟の風貌/4 善勝寺縁起/5 善勝寺の周辺/第二章 飛来した神 1 上山天神縁起/2 比良の天神/3 上山天神の周辺/4 縁起の構造/第三章 二つの名犬伝説―説話伝承の背景― 1 犬上の名犬「小白丸」/2 長浜の名犬「メケンゲ」/3 名犬伝説の交流/4 舞台としての説話集/5 天台談義所と直談/第四章 平流山文化圏―飛来峰伝説― 1 湖東平野に浮かぶ山/2 元応寺の運海/3 霊山寺と十輪寺の在り処/4 飛来した平流山―奥山寺縁起―/5 修験と飛来峰伝説―五台山の飛来―/6 飛来峰伝説の諸相/7 縁起の説話的論理/第五章 『三国伝記』の知的基盤 1 唐崎神社縁起―漂着した神―/2 千手寺再興助縁状/3 『鷲林拾葉集』の世界/4 円信の活躍/5 実用としての知識/第六章 修験の道―湖東から湖北へ― 1 湖東の比良山系修験/2 伊吹山と湖東修験/3 『三国伝記』と湖東修験/4 比々丘女―水神の活性化―/5 灌頂縄と率都婆―除厄儀礼と修験―/6 修験と玄棟/第七章 遥かなる湖―十和田湖の竜神伝説― 1 南蔵坊と八郎太郎/2 書写山の難蔵/3 「ナンソ」たちの伝承/4 愛される在来神/5 長寿の竜蛇/6 稲村大明神物語/7 田村麻呂と善勝寺/あとがき/(付)近江湖東地域寺社縁起基礎資料 近江湖東地域の説話的寺社縁起一覧表/湖東寺社の寺伝・社伝/あとがき/書名・地名(含、寺社名)・人名(含、神仏名)索引 ■好評既刊■(価格は税込み) 第一巻 今昔物語集の研究 15,750円(重版出来) 第二巻 説話と記録の研究 13,650円(重版出来) |
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『池上洵一著作集
第四巻 説話とその周辺』 池上洵一著 定価15,750円(本体15,000円) A5・上製・函入・673ページ・ISBN978-4-7576-0444-5 《清新の気と老練、古代中世説話研究を開示》 清新の気あふれる「初期論文集」と老練の「後期論文集」を集成。それらを貫く不変の方向性、すなわち用例の博捜、精密な読解、地道な考証への希求は、従来の注釈研究の壁を次々と突き破る「難語考証」となって結実。本書において初めて活字化された文章の多い「講演・講義ノート類」、さらに『中外抄』『富家語』全条の話題の連関の様相を表示し綿密に分析した「研究報告」など、古代中世の説話研究に幅広い業績を残す著者の研究の全側面を開示する。 〔内容目次〕 第一編 後期論文集 第一章 長能説話の文脈―二十日あまり九日といふに春の暮れぬる― はじめに/一 『俊頼髄脳』の文脈/二 『袋草紙』の文脈/三 説話集の視線/四 『十訓抄』の論理 五 伝承の終着点/第二章 後三条天皇と犬狩―『中外抄』『古事談』を読む― はじめに/一 『中外抄』の文脈/二 犬狩の実態/三 匡房と忠実/四 『古事談』の方法/第三章 『今昔物語集』研究の昭和史―昭和二十年(一九四五)以後― 一 昭和二十年〜三十年代前半/二 昭和三十年代後半〜昭和四十年代/三 昭和五十年以後/附章(1) 中古説話の研究史展望―一九九〇年以後―/第四章 『今昔物語集』鈴鹿本の周辺 一 修復された鈴鹿本/二 鈴鹿本の原姿/三 用語としての「中書本」の問題点/四 鈴鹿本の綴じ穴と綴じ代(ノド)/五 編纂活動を垣間見る/第五章 『今昔物語集』の「礼ノ橋」と「屏風ノ裏」考証―都市空間論的研究のために― はじめに/一 「礼の橋」をめぐって/二 「屏風ノ裏」をめぐって/おわりに/第六章 長谷寺対外霊験譚の構造―長谷寺唐朝馬頭夫人説話と勝尾寺百済国王后説話― 一 問題の所在/二 『長谷寺流記』の馬頭夫人/三 『長谷寺験記』の馬頭夫人/四 『勝尾寺古流記』の百済国王后/附章(1) 長谷寺研究のためのキーワード/附章(2) 観音がくれた風車―『長谷寺験記』下巻第29話―/第七章 勝尾寺百済王后説話の構造と伝流―対外霊験譚研究の一環として― はじめに/一 宋商周文徳と楊仁紹/二 宋商登場の理由/三 勝尾寺の罹災と勧進活動/四 霊験譚の伝流と変化/五 霊験譚の再生 第二編 難語考証 第一章 「野猪」の正体―『今昔物語集』難語考証― 一 「猪」と「野猪」/二 「くさゐなき」から「たぬき」へ/三 漢文系文献の「野猪」(やちょ)/第二章 「椿・●(木+栗)」の正体―『今昔物語集』難語考証― 一 「榛栗」の可能性/二 「榛栗」と「榛子」/第三章 「たうさかのさへ」の所在地―『宇治拾遺物語』第136話― 一 「塔坂」と「高坂」/二 用例から見た「筑紫」/第四章 「えさい、かさい、とりふすま」の背景―『宇治拾遺物語』第37話― 一 解説・教訓の言辞の無意味さ/二 奇行ではない「とりふすま」/三 隠された意味 第三編 初期試論集 第一章 説話―戦後二十年の研究史― 一 戦後研究の幕開け/二 「出会いの文学」/三 説話と説話集/四 研究の広がりと深まり/五 山積する課題/第二章 『源氏物語』の教戒的評論/第三章 『三国伝記』序説 はじめに/一 丁亥八月十七夜/二 玄棟と近江/三 三話一類様式/四 話題の連接と転換/第四章 統計処理による文体研究の課題―松尾拾氏著『今昔物語集の文体の研究』をめぐって― はじめに/一 和漢両文脈分別型の研究の系譜/二 「伝承者明記」の意味/三 「伝承者」の実態/四 撰者の文体/おわりに 第四編 講演・講義ノート等 第一章 中世初期文化人の群像―併せて中世説話文学の展望に及ぶ― はじめに/一 常磐の三寂/二 出家する人々/三 『今鏡』から建礼門院右京大夫へ/四 『今物語』と『宇治拾遺物語』/五 『古今著聞集』の序文をめぐって/六 「死」と向き合う心/おわりに/第二章 一人で「ひしめく」こと―『宇治拾遺物語』第133話― はじめに/一 「ひしめく」と「騒ぐ・あわてる・もがく」/二 少人数の「ひしめく」/三 空入水の僧の「ひしめく」/第三章 仏には桜の花をたてまつれ―西行歌の真意― はじめに/一 問題の発端/二 西行歌の解釈―その現況―/三 「仏に花をたてまつる」ということ―『源氏物語』御法巻をめぐって―/四 「仏になる」ということ―用例の検討―/五 死者を「とぶらう」ということ/六 『西行物語』が描く西行の入滅/第四章 日本古典における地震―阪神大震災を踏まえて読む元暦大地震の記録― はじめに/一 『山●(木+鬼)記』を読む/二 『玉葉』を読む/三 忠親と兼実/四 兼良本『方丈記』―結びに代えて―/第五章 中山神社の猿神―地元の側から見た猿神退治伝説― はじめに/一 『今昔』の「猿神退治」への違和感/二 昔話の「猿神退治」/三 犬の名前/四 外国の類似説話/五 祭神の交替―春日大社・日吉大社の例―/六 中山神社の祭神交替/七 「贄賂●(ケモノ偏+吾)狼」の神/八 鏡作命について/九 話の型としての「猿神退治」/一〇 文学としての『今昔物語集』/おわりに/第六章 『今昔物語集』を読む 1.釈尊最後の言葉/2.月の兎/3.仏像伝来秘話/4.滄桑の変/5.よき子よき母/6.難題解決/7.愛執とのたたかい/8.鴨の情愛/9.雨宿りの奇縁/10.武士の心ばえ/11.五位と芋粥/12.死体と同衾した男/13.受領ハ倒ル所ニ土ヲ●(國+爪)メ/14.異郷的空間の妖精/15.切れなかった宿縁/第七章 多様な理解の可能性 一 話を理解するということ/二 さまざまなレベルでの理解/三 『今昔』と『宇治拾遺』/第八章 回想記―一九四四〜四六年、国民学校学習記録の背景― 第五編 研究報告 第一章 『中外抄』『富家語』の発話と連関の契機―その総括的展望― はじめに/第一節 『中外抄』各条の発想と連関/一 概要/二 発話の構造―その基本的具体例―/三 発話の構造―上巻各条の概観/四 発話の構造―下巻各条の概観/第二節 『富家語』各条の発想と連関/一 概要/二 発話の構造―各条の概観― 総括に代えて 私の説話・伝承研究史―神戸大学文学部最終講義― 一 歴史社会学派との出会い/二 「実証」へのあこがれ―欠文との出会い/三 「出会いの文学」との出会い/四 文献学との出会い/五 『三国伝記』との出会い/六 『中外抄』『富家語』と私/おわりに/あとがき/書名・地名(含、寺社名)・人名(含、神仏名)索引 ■好評既刊■(価格は税込み) 第一巻 今昔物語集の研究 15,750円(重版出来) 第二巻 説話と記録の研究 13,650円(重版出来) |
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『平安文学の環境 ―後宮・俗信・地理―』 加納重文著 定価12,600円(本体12,000円) (研究叢書378)A5・上製・函入・695ページ・ISBN978-4-7576-0467-4 言うまでもないことであるが、平安時代の作品も、平安時代の社会状況のなかで、そこに生きる個人の、生の営為として生まれている。生まれた作品がまた、その社会状況になにがしかの反映を残した要素も、無しとしないであろう。そういう作家と作品の性格を、時代状況のなかで確認していきたい意図によって、本書は書かれた。作家と作品を性格づける時代的・社会的な状況は、本当は綜合的なもので、個別に考究されるべきものでないという要素もあるが、部分の正確な認識が前提として必須というのも確かである。その認識のもとに、この時代を特に特徴的に律したと思われる後宮・俗信・地理の三つの視点から、時代状況を極力具体的に把握する試みをなしたものである。 〔内容目次〕 T編 後宮 第一章 後宮 一 令制の後宮/二 平安初期の後宮/三 平安前期の後宮(嵯峨〜宇多)/四 醍醐朝の後宮/五 平安中期の後宮(朱雀〜後一条)/六 女御・更衣/七 『源氏物語』の後宮/第二章 女房と女官 一 『栄花物語』の宮仕女性/二 『御堂関白記』の宮仕女性/三 令制の女官組織/四 平安中期宮仕女性の構成/五 女房と女官/六 研究の状況/七 平安中期の女房・女官組織/第三章 尚侍 一 令制の尚侍/二 尚侍の変質/三 后妃化の前後/四 『源氏物語』の尚侍/五 まとめ/第四章 典侍 一 令制下の典侍/二 典侍の職掌/三 典侍の変質/四 平安中期の典侍〈その一〉/五 平安中期の典侍〈その二〉/六 物語の中の典侍/七 その後の典侍/第五章 内侍 一 令制掌侍の変質/二 朝廷から院宮へ/三 『御堂関白記』『小右記』『権記』の内侍/四 物語・日記の内侍/五 平安末期以後の内侍/第六章 命婦 一 上流社交婦人/二 女官化の進行/三 上層官女/四 『源氏物語』の命婦/五 まとめ/第七章 蔵人 一 『延喜式』の女蔵人/二 平安前期の女蔵人/三 平安中期の女蔵人/四 物語・日記の女蔵人/五 史上の女蔵人/六 蔵人の終息/付章 女房名をめぐって 一 女房名の分析/二 家の女房/三 中宮三役/四 宰相君/五 女房呼称/六 侍従という女房/七 まとめ U編 俗信 第一章 物忌 一 はじめに/二 平安前期の物忌 /三 平安中期の物忌/四 平安末期の物忌/第二章 方忌 一 方忌の種類と内容/二 方忌の事例/三 『蜻蛉日記』の方忌/第三章 方違 一 はじめに/二 方忌の種類と性格/三 方違行動の分析/四 平安期作品に見える方違え/第四章 触穢 一 はじめに/二 平安前期の触穢/三 藤原道長と触穢/四 藤原実資と触穢/五 九条兼実と触穢/六 平安文学と触穢/第五章 卜占 一 公式卜占/二 民間卜占/三 科学的卜占/四 天文暦法/五 まとめ/第六章 相と夢 一 相/二 夢/第七章 俗信 一 鬼・神・天狗/二 暦注吉凶/三 俗信/四 動物/付章 『源氏物語』の罪≠ノついて 一 罪の認識/二 仏法と罪/三 現世の罪/四 執着心/五 『源氏物語』の罪/六 愛執の罪 V編 地理 《女房日記の地理》 第一章 『蜻蛉日記』の邸宅 一 左近馬場片岸の道綱母家/二 兼家邸隣宅/三 懸歩きの家/四 東三条殿/五 西山のみ寺/六 広幡・中川の家/第二章 『枕草子』の邸宅 一 内裏/二 二条宮/三 その他の邸宅/四 清少納言の家/第三章 『和泉式部日記』の地理 一 東三条南院/二 和泉式部の家/三 四十五日忌違えの家/四 まとめ/第四章 紫式部越前往還の道 一 往路/二 府中/三 還路/第五章 『更級日記』の旅と邸宅 一 上総国府/二 足柄峠越/三 孝標女の家/四 東山なる所/五 初瀬詣と和泉への旅/《旅と山越えの道》 第一章 稲荷山周辺 木幡山越え 一 法性寺辺/二 大和街道/三 木幡山/四 稲荷還坂/五 民間信仰/六 木幡山越道/稲荷詣の道 一 稲荷三社/二 稲荷下社/三 稲荷坂/四 行幸路/第二章 東山周辺 山麓の道 一 法性寺東道/二 法住寺殿東道/三 祇園大路/四 祇園中路/五 山麓の道/大和大路 一 建仁寺西通/二 六波羅/三 法住寺殿/四 九条河原から法性寺大路/五 まとめ/第三章 水無瀬 一 古代における水無瀬/二 後鳥羽院と水無瀬殿/三 水無瀬殿とその往還/四 水無瀬と和歌/第四章 志賀の山越え―比叡山の道々― 一 志賀越/二 今路越/三 雲母坂/四 古路越・白鳥越・如意越/五 横川道/六 まとめ/付章 街道文学 一 古代の街道―山陽道―/二 軍記物語の東海道/三 遁世者の旅―『山家集』と『海道記』―/四 閑人の旅―『東関紀行』―/五 阿仏尼の旅―『十六夜日記』―/六 都を離れる旅―『とはずがたり』―/初出一覧/索引/あとがき |
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『清張文学の世界 砂漠の海』 加納重文著 定価2,940円(本体2,800円) (和泉選書162)四六・上製・267ページ・ISBN978-4-7576-0458-2 日本図書館協会選定図書 《作家清張の人生とその豊潤な作品世界に迫る》 清張小説は、社会派推理小説と喧伝されて広く知られているが、清張の作家としての始発は、推理小説家として始まった訳ではない。本書は、推理小説か否かを問わず、筆者が語りたい感情に駆られるところのあった清張小説と作家清張にたいする、たどたどしくも真摯な解明の試みである。収録した十一編は、清張の代表作とみなされる作品を、特に選んだものではないが、結果的には、作家清張の小説と、それに重ね合わされた人生を、俯瞰するようなものになった。自伝要素の作品から始まって、評伝・推理から人間の愛と欲望、それらの集大成のような歴史性小説。それらは、個々の作品として独立の姿を示しながら、描かれた小説世界が、次ぎに創造される清張小説の基礎となり、豊潤な清張文学を形成していった。自らの人生の感傷とともに、回顧し語られる清張作品の、清新な作品批評論集。 〔内容目次〕 第1章 ガラス瓶とボタ山 『火の記憶』/第2章 彷徨する魂 『断碑』/第3章 香椎海岸と和布刈神社 『点と線』と『時間の習俗』/第4章 女の小説 『ゼロの焦点』/第5章 踏みしだかれし薔薇 『黒い福音』/第6章 ひたむきに生きる 『霧の旗』/第7章 七つの子 『球形の荒野』/第8章 新探偵小説 『砂の器』/第9章 砂の墓標 『砂漠の塩』/第10章 肉欲の愛 『内海の輪』/第11章 飛鳥のイラン文化 『火の路』/あとがき/索引(人名・地名・件名) |
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『京 大坂の文人 続々』 管 宗次著 定価2,940円(本体2,800円) (上方文庫33)四六・上製・221ページ・ISBN978-4-7576-0463-6 日本図書館協会選定図書 《京大坂の文人(正)(続)に続く好評の第三弾!上方の文化と文人を紹介する》 京大坂が上方とよばれ、学芸学問の中心地だった頃、そこに生きた文人たちの伝記と著述を中心に様々な逸話を織りまぜながら紹介、多くの資料や自筆短冊の写真も添えた。 和歌の神である住吉大社神官の津守家が近世期の天皇家の古今和歌集御所伝授と深く関わりながら文雅サークルを形成する有様、蘭学者の緒方洪庵が翻訳技術向上のため国学者たちの文法書を読み和歌会に参加するなど、上方という地域で異分野が互いに影響を与えあいながら着実に近代へと歩みを進めていく様は興味深い。他には、一絃琴(須磨琴)の真鍋豊平、尼崎の儒医西村榕園、京都奉行所同心の吉岡美知の歌集などなど、各々が幕末という時代を文芸や学芸をもって華やかに生きた様を生き生きと描いた一冊。 〔内容目次〕 はじめに/1近世期津守家の歌道 津守国礼と柿葉斎喜始/2寛政九年九月 織仁親王古今御伝授両社御代参雑記/3緒方洪庵と和歌をめぐって 緒方家の人々と和歌/4一絃琴宗匠 真鍋豊平/5五十川金雪『金雪詩稿』について 安政三年二月廿五日〜九月四日/6伴林光平と種痘の和歌/7伴林光平手抄『村上潔夫翁歌』/8尼崎の儒医西村榕園と懐徳堂/9『野史竟宴詩歌』作者目録 懐徳堂の人々と地下官人/10山田嘉猷と『樛の落葉』について 京における鈴屋門の末流/11京都奉行所同心 吉岡美知詠草(安政五年) ■上方文庫好評既刊■(価格は税込み) 『京 大坂の文人 続 幕末・明治 付『大和国名流誌』』 管 宗次著 定価2,940円 『関西黎明期の群像 』 馬場憲二・管宗次編 定価2,650円 『関西黎明期の群像 第二』 馬場憲二・管宗次編 定価2,650円 |
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■全四巻完結■ 『新訂 吉記 索引・解題編』 橋秀樹編 定価9,450円(本体9,000円) (日本史史料叢刊6)A5・上製・函入・403ページ・ISBN978-4-7576-0454-4 藤原経房の日記『吉記』は平安末期から鎌倉初期の重要な日記史料として、日本中世史のみならず、中世文学・日本美術史の分野でも多くの研究に利用されてきた。これは矢野太郎氏による翻刻が史料大成の一部として戦前より刊行されていたことが大きい。しかし、史料大成本は底本選定が十全でなく、『吉部秘訓抄』『公事問答記』の書名でまとまって伝来する公事抄出や各種部類記所引の逸文を収録していないことから、現在の学問水準に堪えうるテキストの刊行が望まれていた。そこで本書は、鎌倉前期古写本を初めて紹介するなど、底本を新たにし、これまで活字化されてない公事抄出や逸文を含めた本文を編年体で収録した。また、校訂注や説明注を施し、欄外に主要事項を標記して利用者の便宜を図った。 本冊には索引・解題を収める。 〔内容目次〕 T 補遺/U 解題 はじめに 一、記主藤原経房について 二、吉記の現状 三、室町時代の吉記 四、鎌倉時代の吉記 五、公事抄出の性格をめぐって/おわりに/付、吉記および藤原経房関係文献一覧 藤原経房年譜/略系図/V 補訂一覧 本文編一/本文編二/本文編三/W 索引 凡例 1 人名索引 2 異称通称一覧 3 地名索引 内裏・大内裏部/京内・京郊外/地方部/あとがき/口絵図版 一、吉御記(古写本) 一、御遺言条々 ■好評既刊■(価格は税込み) 『新訂 吉記 本文編一』 重版予定 予価7,350円 『新訂 吉記 本文編二』 定価 9,450円 『新訂 吉記 本文編三』 定価 9,450円 |
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『「仕方がない」日本人』 首藤基澄著 定価2,625円(本体2,500円) (和泉選書163)四六・上製・312ページ・ISBN978-4-7576-0465-0 日本図書館協会選定図書 本書は「仕方がない」日本人のもがきに焦点を当てた試論・小論である。 日本人はよく「仕方がない」「己むを得ない」という。そういって情況に不請不請従い、諦めの境地に至ったり、逆に異常な行動に走ったりする。十分でない否定的なものを含む「仕方がない」を、どこで、どう使うかによって、その人柄・生が見えてくる。「仕方がない」日本人のもがきを、日本の近代文学の代表的な作家・作品に寄り添うことによって具体的に捉えようとする。 夏目漱石は『こゝろ』で「仕方がない」を多用して自裁する先生を描き、芥川龍之介は規範を超える「仕方がない」生の論理を展開して生きる下人を描いている。野間宏は「仕方がない正しさ」を認めずに生きる学生の苦しい現実を捉える。高村光太郎の「敗闕(はいけつ)」の意識とその脱却、「没法子(メイファーズ)」(仕方がない)を意識して人間を裸形にして行く金子光晴他にアプローチする。 〔内容目次〕 第一章 夏目漱石 一、『こゝろ』―「仕方がない」先生の心―/二、漱石の「仕方がない」態度―「現代日本の開化」と「草枕」―/第二章 芥川龍之介 一、「羅生門」―「仕方がない」生の論理―/二、芥川の出発―ロマン・ロラン、トルストイの影響―/三、「羅生門」の構造―『ジャン・クリストフ』と『こゝろ』の受容―/第三章 野間 宏 「暗い絵」―「仕方がない」日本の学生群像―/第四章 遠藤周作 一、「白い人」「黄色い人」―弱者のこだわり―/二、「海と毒薬」―「仕方がない」日本人のもがき―/第五章 高村光太郎 一、「仕方がない」日本の内と外/二、芸術論/三、作品―「根付の国」「秋の祈」「ぼろぼろな駝鳥」「つゆの夜ふけに」―/第六章 金子光晴 一、「天邪鬼」の思想/二、「没法子(メイファーズ)」(仕方がない)―中国人と日本人―/三、「落下傘」―日本人の悲しみ―/四、「くらげの唄」―「仕方がない」人間透視―/五、「仕方がない」日本のキリスト/第七章 伊東静雄 「わがひとに与ふる哀歌」―「仕方がない」愛、遠方のパトス―/初出誌(書)・原題一覧/後記 ■好評既刊■(価格は税込み) 『近代文学と熊本―水脈の広がり―』 首藤基澄著 定価2,625円 |
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『おもしろ日本史』 森田恭二編著 定価1,575円(本体1,500円) (IZUMI BOOKS16)四六・並製・192ページ・ISBN978-4-7576-0451-3 日本図書館協会選定図書 《古代から幕末までどこから読んでもおもしろい》 大学の教養日本史を二十年間担当した著者が、「日本史」という学問の面白さはどこにあるのか紹介する。 新発見の遺跡や資料によって、これまでの通説がくつがえされる面白さ、文学作品や芸術作品が生まれた歴史背景を探る面白さ、歴史の裏話といわれるその時代に生きた人々の伝記やエピソードを探し出す面白さを体感できるよう、日本史の中から二十のテーマを時代順に選び、探求する。 著者は、強制的な暗記学習に日本史を学ぶ面白さはないと主張して、新発見の遺跡や資料、文学作品や芸術作品、それに伝記やエピソードを駆使し、真の「日本史」の面白さを記述している。 〔内容目次〕 まえがき/1 三内丸山遺跡と縄文文化 〈三内丸山遺跡〉/2 池上曽根遺跡と弥生文化 〈池上曽根遺跡〉/3 吉野ケ里遺跡と邪馬台国 〈吉野ケ里遺跡 集落跡 主な出土遺物 墓地 墳丘墓〉/4 古墳時代と近畿地方 〈大和古墳群 黒塚古墳の発見〉/5 飛鳥文化とその遺跡 〈飛鳥京遺跡の発掘 亀形石の発見 飛鳥京庭園〉/6 長屋王邸遺跡の語るもの 〈長屋王邸の発見 長屋王の変 長屋王邸の生活〉/7 藤原貴族と王朝文化 〈藤原道長・頼通の生活 宇治平等院〉/8 絵巻物のおもしろさ―「信貴山縁起絵巻」の世界― 〈「信貴山縁起絵巻」〉/9 奥州藤原氏と源平争乱 〈『平家物語』 源頼朝の挙兵 宇治川の先陣 奥州藤原氏 奥州平泉 奥州藤原氏の滅亡 柳の御所跡付近の発掘〉/10 南北朝動乱と楠木正成 〈南北朝動乱 楠木正成の活躍〉/11 足利義政と東山文化 〈東山文化 足利義政の東山山荘 足利義政の教養と文化 同朋衆 絵画 能楽(猿楽) 連歌〉/12 一休宗純と禅の文化 〈一休和尚伝記 禅の文化と庭園 〈参考〉一乗谷朝倉氏館跡庭園 旧秀隣寺庭園 北畠神社庭園〉/13 「洛中洛外図」の世界 〈「洛中洛外図」探訪 「洛中洛外図」の人々〉/14 『政基公旅引付』のおもしろさ 〈和泉国日根荘 人質事件 戦乱 水害と旱害 疫病 犯罪 祭礼 雨乞い〉/15 戦国動乱と丹波地方 〈丹波守護代波多野氏 城下町篠山の成立 松平康重の丹波国八上入部 篠山築城と城下町の建設 城下町篠山の支配組織の成立〉/16 織田信長と安土城 〈織田信長の魅力 安土城下町の成立 安土城の新発見 〈参考〉『信長公記』巻十五・天正十年条〉/17 千利休と茶の湯の文化 〈千利休〉/18 豊臣家の滅亡と徳川幕府 〈醍醐の花見 秀吉の死 関ヶ原の戦 徳川幕府の成立 方広寺鐘銘事件 大坂冬の陣 大坂夏の陣〉/19 江戸町人文化のすばらしさ―歌舞伎と浮世絵― 〈歌舞伎の成立 浮世絵の隆盛 〈参考〉喜多川歌麿 葛飾北斎 謎の絵師東洲斎写楽 安藤(歌川)広重〉/20 坂本龍馬のめざしたもの 〈坂本龍馬の生涯 龍馬回想〉/主要参考文献 ■好評既刊■(価格は税込) 『青雲の志 龍馬回想』 森田恭二著 定価1,050円 『悲劇のヒーロー 豊臣秀頼』 森田恭二著 定価1,260円 |