和泉選書195 光源氏の生涯

和泉選書195 光源氏の生涯

源氏物語を光源氏の物語として、光源氏の人生の始発(幼童期)、青年期、中年期、老年期に分け考察。個人としての光源氏通史の試み。

書名フリガナ ヒカルゲンジノショウガイ
著者 上野 辰義
ジャンル 日本文学 > 中古
シリーズ 和泉選書
出版年月日 2022/03/10
ISBN 9784757610194
判型・ページ数 4-6・352ページ
定価 3,850円
(本体3,500円+税)
在庫 在庫あり

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 源氏物語を「光源氏の物語」として、光源氏の生涯を俯瞰し、偉大な個人としての光源氏の人生を考察した論考を集成した。光源氏通史の試み。桐壺巻から幻巻までの正編を、光源氏の人生の始発(幼童期)、青年期、中年期、老年期に区分。各期における問題である、光源氏の人生周期の内容、父桐壺帝と息子光源氏の愛する女の喪失体験、成長と述懐に繋がる反省という行為とそれに関わる夕顔や末摘花、六条御息所ら女性たちとの交渉、隠れ忍ぶ脇役の女性たちの存在、玉鬘との中年の恋、光源氏一族への驕りの教戒と「すき」、晩年の述懐の質と人生認識、などについて、新たな見解を提示。



【著者紹介】
京都大学大学院文学研究科博士後期課程修了。
現在 佛教大学文学部日本文学科教授。

主著・論文:『源氏物語論攷』新典社、2021年。「絵画と書―その複合性と記録性」『源氏物語の行事と風俗』(源氏物語研究集成第11巻)風間書房、2002年3月。「源氏物語にみえる『しののめ』の歌」『むらさき』第38号、2001年12月。「挨拶のことばと源氏物語―其の一、竹取物語と宇津保物語と枕草子から」『文学部論集』(佛教大学)第84号、2000年3月。

例 言

第一部 光源氏の生涯とその始発
序章 光源氏の生涯
 一 源氏の物語
 二 人生の区分(一)
 三 人生の区分(二)
 四 光源氏の人間的成長
第一章 女をうしなう光源氏―父桐壺帝の喪失体験と息子
 はじめに
 一 父桐壺帝の喪失体験
 二 父桐壺帝と息子光源氏の喪失体験
第二章 女をうしなう光源氏―十代の喪失体験
 はじめに
 一 空蟬の喪失体験
 二 空蟬と夕顔

第二部 青年期の光源氏
第三章 光源氏の「反省」
 はじめに
 一 「反省」という行為
 二 中の品の女
 三 夕顔の契り
 四 反省と自制
第四章 末摘花と光源氏
 はじめに  
 一 末摘花巻における光源氏の反省
 二 夕顔追慕と葎の門
 三 光源氏の成長
第五章 光源氏の別れの歌
 一 愛する者との別れ
 二 野宮訪問までの道
 三 離別―秋の情趣と歌の力
 四 伊勢から明石へ
 五 哀傷―御息所の遺言
第六章 光源氏の「隠ろへ忍ぶ」女性たち
 はじめに
 一 上の品と中の品、「隠ろへ忍ぶ」女たち
 二 「隠ろへ忍ぶ」上の品の女たち―源氏物語の「あまた」
 三 「隠ろへ忍ぶ」中の品の女たち
 四 「隠ろへ忍ぶ」女たち

第三部 中年期の光源氏
 第七章 玉鬘と光源氏
 一 三十代後半の光源氏
 二 玉鬘巻頭と末摘花巻頭
 三 六条院丑寅の町の西の対
 四 母夕顔と玉鬘
 五 光源氏の「すき」の展開
第八章 「年三」と「ねさう」の問題―玉鬘論のために
 はじめに
 一 「ねさう」の表記
 二 後撰和歌集と経信集
 三 「年三」と「年星」
 四 玉鬘と年星
 おわりに

第四部 老年期の光源氏
第九章  藤裏葉巻「残り給はむ末の世などの、たとしへなき衰へなどをさへ、思ひはゞからるれば」攷
 一 藤裏葉巻における光源氏の人生認識
 二 文脈の解釈  
 三 「残りたまはむ末の世などの、たとしへなき衰へ」
 四 「たとしへなき衰へなどをさへ、思ひはゞからるれば」
 五 光源氏における「心おごり」の抑制
第十章 光源氏の驕り
 一 問題の所在
 二 「おごり」の教訓
 三 「おごり」の教訓の顚末―明石姫と紫上
 四 「おごり」の教訓の顚末―夕霧と光源氏
 五 驕りの因となる女性
第十一章 光源氏の述懐―御法巻と幻巻の間
 一 光源氏の述懐
 二 女方での生活
 三 二つの述懐の間
 四 桐壺巻へ

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